ジャケや邦題から、監獄島や処刑島のようなアクションスリラーに見えるが実際はアクション要素はほとんどない、真面目なサバイバルドラマだった。
殴り合いの大乱闘こそあるものの、ドラマの補助的な役割でしかなく、バイオレンスさを演出するためのものでしかないので注意。
っていうか邦題は「ザ・バトルロワイアル」より「ザ・サバイバル」にした方が良かったんじゃないかな。

しかし、サバイバルドラマとしてはかなり面白かった。
主人公たちが島についてからは、サバイバルや派閥の誕生やそこからの脱出などのイベントが立て続けに起こって飽きない。
また登場人物は多いものの、服の色によって階級分けをしたり、個性の強いキャラに絞ってストーリーを展開してるため、分かりにくさはなく、むしろかなり分かりやすい。

細かい粗や書ききれてない部分もあるものの、ストーリーや人間ドラマが面白く、2時間近い長尺ながら最後まで楽しめました。

派手さはないものの、丁寧かつ硬派に作られたサバイバルドラマの良作。

ちなみにこの映画、非常にムサ苦しい。登場人物が殆どむさ苦しいヒゲオヤジ達なので(女性も一人いるが出番は少ししかない。)観てるだけで暑苦しくなる。(これでもものすごく褒めてます。)
観てて体感温度がグイグイ上がる映画なので真冬に見ることをおススメします。ｗ

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20XX年、全世界で死刑が廃止され、刑務所がパンク状態となりロシアが北極海の孤島に隔離する計画を提案し、全世界の囚人達が孤島で共同生活するプロジェクトが始まるが…というストーリー。
ロシア産の硬派でシリアスなサバイバルドラマ作品です。
島に到着した囚人たちはさっそく殺し合いを開始。元パイロットのジーリンはそんな彼らのいる宿舎から離れて海辺で暮らすことに。やがて冬が訪れ、宿舎に戻ったジーリンが見たものは支配するものとされるものに分かれた集団だったという内容です。タイトルだけ見ると囚人同士の生き残り賭けた殺し合いメインのようですが、メインは孤島でのサバイバルになっています。
前半は一人宿舎を離れたジーリンが海辺で海鳥を捕まえて食べたりしながら一人サバイバルしようとする姿が描かれますが、ジーリンと同房でついてきて一緒にサバイバル生活する元医学生で連続殺人鬼の青年シーバが面白くて結構飽きずに見れます。「教科書に載ってる人間の腸の長さが本当か確かめてみたけど小腸も大腸も短かったよ」とか「地獄に行って新しい拷問の方法悪魔に教えてあげるんだ」とか数字に関する訳わからん理屈とか頭おかしい話ばっかりしてるけど何か面白くて見入っちゃいます。ちょこちょこジーリンの後ついてくるのも可愛いし、ジーリンの家族の写真でオナってて怒ったジーリンにボコボコにされる所は笑ってしまいました(笑)
中盤、寒さで凍死寸前になったジーリンとシーバが炭を求めて宿舎に戻ると、生き残った囚人たちが支配する者とされる者に分かれた集団を形成している所は、こんな孤島で囚人達だけでも集団が作られると階級社会が出来上がっていくのだなと興味深かったです。着ている服がリバーシブルで青と赤にできるので、青は支配される者、赤は支配する者と区別されるのも意味深な感じ。宿舎に走って戻らせて、ビリになった者が殺されて食料にされるというのもエグくて良いですね。
ジーリンが権力者となった囚人を倒して、階級のない社会作っていく所も文明社会が作られていく過程のようで面白いです。ボスの腰ぎんちゃくな感じでエラそうにうるさく叫んでいた金髪が、ボス倒された瞬間青服に着替えて山に逃げていく所も人間の醜さを表すようなシーンで印象的。結局宿舎に戻って来た金髪を皆黙って受け入れて食料渡して金髪が泣きながらそれ食べるシーンは良かった。
新たな囚人たちが島に現れて即殺し合いになっていく所は折角まともな社会が出来つつあったのがご破算になる悲しさありましたね。
序盤と後半繰り広げられる囚人同士の殺し合いは拳や斧を使った泥臭い戦いで流血やゴア描写は無いけど見応えはありました。
最後シーバが飛び降りたのは自殺して地獄に行くためかな？直前に「良い事したから地獄行けなくなるかも」って言ってたし。ラストは無事脱出できたとも天国へ行ったともどちらとも取れますね。エンドロールで囚人になる前の彼らの幸せそうな写真が映されるのも哀愁感じさせます。
序盤は皆同じ服で同じ帽子被ってるし人数も多いので誰が誰か見分け付きにくいですが、中盤からは個性的なメンバーに絞られていきます。後、主要人物男ばかりで唯一の女性キャラも序盤と終盤にちょっとしか登場しない硬派な作りです。
2時間ありますが、シリアスで硬派なサバイバルドラマ見応えあって結構最後まで飽きずに見れる良作でした。

死刑の代わりの島流しの刑により終身刑言い渡された200人超の囚人が孤島で生活する羽目になる映画

【概要】
20XX年、全世界で死刑制度廃止が決定。ロシアが北極海の孤島に彼らを隔離する計画を提案したことから、全世界から集められた囚人たちは共同生活を送ることで更正を図るプロジェクトに参加することに。島に到着するやいなや、殺し合いを始める囚人たち。彼らから離れた元パイロットのジーリンは、宿舎を離れて海辺で生活することに。やがて冬になり、宿舎に戻ったジーリンが見たものは、支配する者と支配される者に分かれた集団だった。


【感想】
ロシア映画にしては珍しく面白い映画だった
他の囚人の元を離れたジーリンについてくる元殺人鬼のシーパ
このシーパの会話が訳わからないんだけどなんか面白くて
その甲斐あってか作中常に暇しないwww

前半は何が起こるのかわからないワクワク感と
ジーリン、シーパのヘンテコ会話挟みながらの無人島サバイバル生活

中盤以降の宿舎に戻ってからは新手の世紀末映画みたいになってて
そこからの反乱と猿の惑星みたいになり

最後は秩序が形成された島に新たな囚人達が運ばれてきて…

とラストのラストまでジャンル、楽しみ方がコロコロ変わるものの相対的に楽しく見られた

シーパの会話については以下のようなことを延々喋ってる
島到着してすぐに自分の手錠の番号見て

シーパ「41番だ。4は斧を表わす。1はペニス。去勢されるのかな？君の番号は？」
ジーリン「77番」
シーパ「7は死を意味する大鎌だぞ。２本の大釜だから即死だな」

こんな感じの意味ないけどなんか癖のあるへんな会話をしていて個人的には面白かった