真っ黒こげ太郎

カンニバル・マン 精肉男の殺人記録の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

3.5
相変わらず更新が慢性になってもグロ系映画を見ずにはいられない自分。w




精肉場で安月給で働く男、マルコス。
彼は恋人のポーラとのデート帰りにタクシーに乗るが、後ろの席でポーラとイチャついた所為でタクシーの運転手と口論になる。
はっ倒されたマルコスはそこら辺の岩で運転手をドつき、ポーラと共にその場を後にする。

翌日、運転手の顔が新聞に載り、驚く2人。
マルコスが岩でドついた所為で、運転手が死んでしまったのだ!!!
「マズイわ!2人で自首しましょう!」と提案するポーラだったが、マルコスにそんな気はさらさら無かった。
挙句ポーラの首を絞め、殺してしまう。

その後も殺しをバレたくないマルコスは真実を知った実の兄やその恋人、恋人の父親も等も次々手に掛け、殺しに歯止めが利かなくなってしまうのだった…。




とある事故で人を殺してしまった男が、殺しの連鎖を生み出してしまう、イギリス産の70年代スラッシャー・ホラー・ドラマ。

例によってスラッシャー展開や血みどろ目当てで鑑賞したが、以外にも「狂った男が殺りまくり!!」的な内容ではなかった。


主人公は彼女持ち意外な事以外は何処にでもいそうな貧乏男だが、とある事故で男を殺してしまったことをきっかけに、恋人を殺し、それをバレない為に兄弟を殺し、更にそれをバレない為に次々と人を殺す羽目になってしまう。
遺体をバラバラにしてコッソリ持って行って処分しなければならないし、死体の匂いを香水で誤魔化さなきゃいかん等、殺しを隠さなければいけなくなる等、必死に証拠隠滅する羽目になるのだ。


お話のトーンは意外にも淡々としていて、低予算であることを加味しても地味目。
しかし、ドラマ重視の内容は意外にも見れるし、かったるい場面もありはするが、以外にも飽きずに見れる。
そして作中、主人公に唯一無二の親友が出来るのだが、その男と殺しの連鎖で揺れ動く展開も悪くない。
(ただ、あの最後のオチはどうかと思ったが。兄を殺したのは何だったんだ!w)


ちなみに残酷描写は、70年代のホラーとしてはまぁまぁ頑張っているけど、基本は初期の「13日の金曜日」レベル。
包丁で喉を割かれたり顔面をブッ刺されたりする場面や、モノホンの牛の解体描写(!?)が入ったりはしてるが、グロ指数はまぁフツーかな。w



ジャケから予測される様な派手なグロゴア祭りではないし、内容的におかしな所も多いけど、何か静かでお洒落な映画を見た感覚にさせてくれる、風変わりな一品。
昔のグロ系B級映画好きならまぁそれなりに楽しめるとは思います。