フィクション、ノンフィクションに関わらず映像媒体に記録された"ヤバい死"を網羅し解説した『キリング・フォー・カルチャー』ってとち狂った本があるんだけど、その中でこの映画、もっとも陰惨なバイオレンス映画だと紹介されてた。

何年か前にキングレコードから日本盤DVDがリリースされて速攻で買った。

本でも書かれてるとおり安っすい作りで陰惨暴力描写が売りの大半の人が見たら胸糞映画としか思わないシロモノ。しかし、極一部の熱狂的なファンを生み出していて、海外では監督のインタビューや撮影裏話なんかが収録されてるデラックスエディションが出てるほど。

胸糞なのは間違いなくて、ストーリーがひどい。
売れない映像作家が映画プロデューサーから「ぼちぼちすげぇの作ってくれや」と嫌みっぽくプレッシャーをかけられ、「度肝抜くような激ヤバ映画撮ってやんよ💢❗️」とブチ切れ、映画プロデューサーとその妻を監禁し虐待の限りを尽くし惨殺する。映画プロデューサーの眼球にドリル突き刺さす。妻の両足を切断し内蔵を取り出す。その虐殺の一部始終をフィルムに収める。バチ切れてスナッフ・フィルムを作るんだよ笑

凄惨なリンチシーンが話題になりスマッシュヒットした『鮮血の美学』の原題『ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト』に似せたタイトルからも分かるように、完全な二匹目のドジョウ狙い映画。
身も蓋もない構成、安くて汚ない映像、そして超胸糞なストーリー。
嫌いだって言う人の気持ちはよく分かる。
でも、大好きなんだよな、この映画。

この主人公の映像作家、映画業界の儲け主義、少ない予算で客を呼ぶために安易なポルノやバイオレンス映画を量産する体質に嫌気がさしてる。そんな業界の悪しき体質に自分の才能が磨り潰されていくことへの怒りと絶望で荒みきっている。
そんな主人公の気持ちを肯定的に代弁するように、「あれをやれ、これをしろ、くだらない指示ばかりしやがってムカつくぜ」と毒づくナレーションがオープニングに入る。

不穏で攻撃的なナレーションに呼応するかのように映画プロデューサーを虐殺する時のテンションが尋常じゃない。本当にバーストした人がとち狂ってるような怖さがある。恐怖を煽るためにニヤニヤしながら脅し文句を浴びせかける時の表情のノリノリなイキっぷりが怖いんだけど、思うように己の荒廃と怒りをぶちまける様にカタルシスを感じてしまう。負のパワーの開放による恍惚感。

どん詰まりから逃れられない人間の破れかぶれの凶行。「どうなろうが知ったこっちゃねえ、やりたいように殺ってやる」
全てをブッ壊し自滅してやるって投げやりな気迫に呑まれ魅入ってしまう。自分の中にも同じ気持ちがあるせいか？観終わると浄化されて落ち着いた気分になる。
なので、アンガーでヘイトな気分に取りつかれ破滅願望に支配されそうになった時に観るようにしてる。
久々にそんな気分だったから観たけど、やっぱりいいな、しっかり浄化された笑

監督はインタビューでこれを撮った動機として、当時は全てに嫌気がさして何かもかもメチャクチャにしてやりたいと思って撮った、的なことを言っていた。
やっぱりな、でなきゃこんなに自棄糞に振り切った映画撮れないよ笑
名作だと思うな😏

• #再鑑賞

三度の飯よりグロが好き、というナウなヤングにオススメ。
好きな人が好きなように嗜みましょう。

どこかのZ級ポルノ映画監督が「もっと過激なものを作りたーい。ならばスナッフフィルムに挑戦だーい。」という内容どおり、残酷でグロいスプラッタ描写が見せ場の鬼畜映画ですが、そこに至るまでが死ぬほど長くて退屈なんですよ。
全長90分もあるし。

無内容でもいいからスパッと見せたいものを見せればいいのに。クライマックスの四肢切断や内臓抜き取りシーンはもちろんフェイクですが、画質の悪さで妙に生々しく見えました。

悪評高い70年代のB級カルト映画、初めて副音声有りで鑑賞しました
副音声がずっとこの映画をディスってたのが笑えたｗ

「このシーンいる⁉」 「映画愛を感じられない」
「汚い 臭そう」 「これ好きな人と友達にはなれない」
などなど散々な言われようでしたｗ
スナッフフィルムと期待して観たらガッカリ
そのシーンまでが長すぎ！！！！