真っ黒こげ太郎

プロジェクト・ゼロの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

プロジェクト・ゼロ(2010年製作の映画)
2.5
「本作品には暴力的な表現やグロテスクなシーンが含まれます」

警告文が復活した!!!!!www
このブレまくりな感じも流石のトランスワールドアソシエイツ!w




麻薬中毒者が若者を中心に広まりつつあるアメリカ(多分)。
麻薬撲滅の為に政府の科学者によって開発された新型麻薬「ベイビー・ブルー」。
ベイビー・ブルーは吸った人間を自殺衝動に駆られさせ自殺させるというヤベェ薬で、この薬を世間に拡散して麻薬中毒者を根絶やしにするという大変クレイジーな計画が進行していた。

しかし、ベイビー・ブルーは自殺願望だけではなく殺人願望と狂人化も増殖させる大変デンジャラスな薬だったのだ!!!

更にそのベイビー・ブルーがアホなヤク中毒の若者達の手に渡った!!
若者達はベイビー・ブルーを吸った奴が目の前で自殺した事をきっかけに、ヤク断ちの為に農場のオンボロ館にお泊りすることになるが、若者の一人が「ヤク断ちの最後の一服」と称してベイビー・ブルーを持ち込んでいた!!!
そして案の定、ベイビー・ブルーを吸った若者が狂暴化!!!!
更に屋敷のドアが壊れ脱出不能になったりして屋敷内は地獄と化す!!!

一方、ヤクを生み出した議員は証拠隠滅の為に売りさばいたベイビー・ブルーを手に入れた若者達を捜していた。




麻薬中毒の若者グループが、殺人衝動を誘発する麻薬を吸ったことから惨劇へと発展してゆくパニック・ホラー。

ジャケットはアウトブレイク物っぽい感じですが、実際は狂暴化する麻薬を吸った若者達が狂暴化してゆく狂人ホラー映画の一種でした。
そもそも舞台がボロ小屋だからジャケットみたいな場面は出ません。w

んでもって今作、あの「ジュラシックシャーク」をリリースした超Z級映画配給所のトランスワールドアソシエイツ配給なので、作品単体の出来としては正直微妙です。w

登場人物はヤクとセッ○クスと悪ふざけしか頭にないという、ホラー映画で物凄いよくあるタイプの連中。
オマケに麻薬中毒な所為で真っ当な思考はできないし、やたらと言い争いしてるわで全く完全移入できん。
こんな連中だから死んでも悲壮感の欠片もありません。
多分麻薬で死ななくても覆面の殺人鬼に成敗されてるんじゃないかな。w

そんな魅力のない登場人物の死を盛り上げるためか、殺害描写は結構な血みどろスプラッター。
(まぁ実を言うとそれ目的でレンタルしたんだが。w)
ただ、冒頭の自傷シーンや胴体真っ二つからの内臓デロリンチョな場面は中々悪くないが、それ以外は血糊で誤魔化したり、そもそもCGの血しぶきをやたら使ってたり、スプラッター映画としてはそこまで目新しさがないのも難点。
ホラー演出もドッキリシーンを入れたりしてるが、これが全く上手くない。
ラストシーンはドッキリのつもりだったんだろうけど、脅かし方が下手すぎてそこまで驚かんかったぞ。

クライマックス、最初に麻薬で狂暴化した奴が「デモンズ」っぽくなったり、科学者が生き残りの若者を殺そうとする「ナイトオブ・ザ・リビングデッド」オマージュなシーンもあったりするけど、元ネタに比べると月とすっぽんレベル。

そんなこんなで、この手の狂人ホラーとしてはあんまり出来は良くありません。
正直ネタ要素になる「処刑軍団ザップ」やプリズンブレイク要素のある「ゾンビ・ホスピタル」の方が、まだ見どころはあるんじゃないのかね。w


幸い、この手の若者がひどい目に合うホラー物としてはベタながら話はまとまってるし、登場人物の書き分けはそこそこに出来ている。
それなりに展開は工夫してるし、スプラッター的見せ場もある、クライマックスの逃走劇もそこそこに見入ったりするので、褒める様な内容ではないがそこまで悲惨な出来ではないと思う。


トランスワールドアソシエイツ配給作品としてはマシな部類だし、見どころもちょこちょこあるので、ギリギリ暇つぶしにはなる…のだろうか。
まぁしょぼくて出来もアレなんで、オススメはしないんだけどね。