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オンリー・ゴッドのchikichikiのネタバレレビュー・内容・結末

オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

対比的な赤と青の世界に顔出す黄色と緑色は何を指しているのだろうか?

疑問なんですが、"神よ、許したもう'"とか"神のみが許したもうモノ"という原題に対して、邦題の"唯一の神"では大分意味合いが変わってくると思うのですが、大丈夫なんでしょうか?笑

そんなことは置いといて、ナタを背負った歌唄いオジサンが最強です。(正確にはナタではなく、東南アジア広域で使われている"カチン"と言うものだそうです。)
そして、それを切り取るドヤッ!みたいなショットがシュールすぎで笑ってしまいました。笑

スタンリー・キューブリック監督的な奥行きのある構図が多用されていて、本当にこの監督はコレ好きなんだなぁと言うのがまずひとつ。

とはいっても、前半はドアが半開きになっていたり、そもそものドア位置が片側に寄っていたり、カメラが中央から外れた位置に置かれていたり、と微妙なアシンメトリーのショットから、中盤以降からはしっかりシンメトリーのショットも使うと言う変化の付け方は面白かったです。

「観客??知らねぇっ!」みたいな作家性が色濃く出てる作品は嫌いではないのですが、もう少し噛み砕いてくれないとわからん!
おそらく物凄く内障的な物語ですし、序盤からバイオレンスシーンが続くのでちょっと疲れました。



↓以降は個人的な解釈です。



そもそも本作の設定がアヘン戦争みたいだなと思いました(特に西欧人が麻薬を持ち込んできている点)。

と言うことは、
麻薬組織vsナタおじさん(法と秩序の番人=この土地における神)
と言う構図の物語なのかなと思いました。

ヤベー母親とヤベー父親から生まれた、ヤベー兄貴を持ってしまった主人公は彼らに毒されながらもギリギリ平静を保っている人なのだと思います。

とすると、主人公に常に付き纏う印象的な赤い照明は家族の存在を暗示している(=暴力性や性的な欲求?)。

そして、主人公は家族との繋がりやそれに対する罪の意識の象徴とも言える、両の拳が裁かれることを望んでいたのではないでしょうか?

→これは前半の娼館?での腕を切られるイメージや性的興奮状態にある時に椅子に腕を縛っている点からの推察です。

つまり、ラストの腕を切断されるシーンこそが神による裁きであり、赦しなのだと思いました。

まあ、結局「青・黄・緑」のカラーリングの意味はわかりませんし、なかなかの無理くり解釈だと思うので難しいところです。

※追記で!!
キリスト教における色が象徴する事柄について少し調べてみたところ…

赤=『神の愛』、『罪と血』
青=希望』、『冷静』、『神秘』、日常とはかけ離れた別世界。
黄=『裏切り』、『嫉妬』、『排斥』
緑=常緑樹(エバーグリーン)の緑であり、「永遠の命」、「永遠の愛」。

を、それぞれが象徴しているそうです。
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