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沙耶のいる透視図
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『沙耶のいる透視図』に投稿された感想・評価

amok
3.6
今の俺に足りないのは刺激だ!
ということで観ました。


サブカル、アングラと言えばなんかカッコ良いけど、ビニ本作りに情熱? を捧げる? カメラマンと編集者。そこに巻き込まれる少女のお話。

デヴィッド・ボウイに見える、編集者・神崎(土屋昌巳)
吉高由里子に見える、少女・沙耶(高樹沙耶)
特に思い浮かばない、カメラマン・橋口(名高達郎)
の三角関係はかなり刺激的( ー`дー´)

3人の関係外のところでも刺激がヤバい!
ビニ本の撮影現場に、俺に足りない刺激が!!
俺のキャパが前半で既に溢れそうに…

そこまでやっていいんですか?
って、とこまで踏み込んだ素晴らしい? エロス。

そして、話が進むにつれエスカレートする刺激。

真っ赤に焼けただれたケロイドのペニスやら近親相姦やら不感症やら視姦やら、しまいには床でうごめく○イブまで。
いや、そこまでの刺激はいらないです…
すみません…


…時代を感じさせるダサいノリツッコミや、大袈裟すぎるBGM。
ビー玉の中に自分がいると真面目に語る、厨二すぎるデヴィッド神崎のヤバさに、クスッと笑えるとこも多いのだけれど、重く暗い。

バカな俺には、うまく説明できないけれど、とても文学的な作品だったのではないかと思います。

それは単に学生時代、山田詠美・村上春樹・村上龍・村山由佳などの小説を読み漁り、エロス=純文学という勘違いをしているからなのかもしれないけれど……
4.7
追いつめちゃだめですよ、あのタイプ
厄介でしょ?彼女を解ろうとしたら、彼女になりきるしかないんです

とは土屋昌巳演じる神崎の言葉

原作はすばる文学賞の受賞作品。今では需要がなさそうなビニ本の写真家が沙耶という女性と出会い、不感症で精気のない彼女のその訳を紐解いていく心理サスペンス

今の価値観で観ると、やはり多少の古さは否めないのですが、それを大きくカヴァーする程のヤバい位の作品の存在感!

かなり病んでいて、歪んだ愛の形が描かれていて、かつ刺激的でこちらでは余り評価は高くないみたいですが僕はかなり好きで松田優作の野獣死すべし、沢田研二の太陽を盗んだ男、などに並ぶ邦画カルトムービーの怪作だと面白います

高樹沙耶もデビュー作ながら熱演してますが土屋昌巳が完全に主役を喰っています
独特のエキセントリックな存在感が凄い!

カメラマンの橋口は今、観ると古いタイプの軟派な男ですが、何気に事務所にタクシードライバーのポスターを貼っていたりStuffのレコードがあったりと当時にしたら洒落乙な設定だったのかも

独特な世界観を上手く説明出来ないので、あえてネタバレ的あらすじを拝借して貼ります


ビニ本のカメラマン橋口(名高達郎)は、編集者の神崎(土屋昌巳)から沙耶という女性(高樹沙耶)を紹介される。彼女は都内のデザイン会社のアーティストだった。神秘的な表情に心魅かれ、ホテルへ誘い込むが、「私、感じないんです」としらけたムードに、橋口もやる気をなくす。沙耶が置き忘れたスケッチブックには、男の性器がケロイドで被われた春画風のデッサンが描かれていた。数日後、伊豆ロケに行った橋口は、神崎が連れて来た沙耶と再会する。神崎と沙耶のなにかありそうな関係がさりげなくきになる橋口。そしてみてしまう、神崎の太股にある焼けどのあと。神崎は事故の原因は母親で、自分に彼女が出来た時に母親が嫉妬でお湯をかけたからだと説明した。
その夜再び沙耶を抱く橋口。たとえ女が感じてなくても男はセックスは出来る。沙耶は橋口に神埼との出会いを語る。分裂症で入院していた病院で、精神を病んでいる神崎の母親と会い、それが原因で神崎と知り合ったことを告げる。橋口と沙耶の関係は順調にいき一緒に暮らし始める。
一方神崎は裏本の製本で逮捕されてしまう。
橋口と沙耶の生活もギクシャクすることがおおい。沙耶がぐれている時は何を言っても仕方がない。沙耶は橋口が何を言っても返事をせず、食べることも拒否しだした。途方にくれた橋口は沙耶との関係を絶った。一カ月後、裏本で逮捕された神崎は出所した翌日、橋口を呼びだした。かねてからの「視姦」のビニ本を作ろうとうのだ。
呼び出されたマンションの一室にいってみると沙耶が裸で横たわっていた。となりにはバイブレーターがうにょうにょ動いていた。雨の降る屋上で神崎は、橋口にケロイドの真相を語る。母を見舞いにいった精神病院で出会った沙耶と付き合い始めた神崎だったが、沙耶は『性』が愛を裏切ると神崎を拒もうとした。ならば自分の性欲を殺すと、沙耶の眼の前で神崎は自分のペニスに熱湯をかけたのだった。二人の間には入っていけないと感じた橋口は、部屋に戻り敗北宣言。苦しみのシェアができた沙耶ははじめて橋口の前に笑顔をみせる。そのすがすがしさに感動した橋口は思わずカメラを構えシャッターをきったとき・・、おくの窓を落下する神崎の姿が映った。

高樹沙耶とはこの映画でもらった芸名で当時19歳でブルース・ウェーバー好き
19歳でヌードも含む体当たり演技したので、普通の結婚は出来ない、お嫁さんには行けない、一生女優として頑張るしかないって思ったと対談映像で語っていましたが大麻で逮捕されてしまいましたね…
医療大麻推進委員だけなら良かったのですが
写真家として活動を続ける男(名高達男)が、ビニ本を製作する若手編集者(土屋昌巳)から、美しい女性(高樹沙耶)をモデルにした撮影の依頼を引き受ける。女性を被写体として見ていた男が、本質部分を見つめるようになる系統のエロティック・ドラマ。

性的不能、近親相姦、スワッピングといったモチーフを用いながら、人間の性衝動とそこに付随する心的外傷を描いている作品。高樹沙耶を売り出すためのプレゼン的作品とも言えるが、自己省察を淡々と見せられるダウナーな内容になっている。

男優陣では、一風堂休止後のソロワークに入った土屋昌巳が、若い編集者役を熱演。中性的な容姿と辿々しい台詞芝居がポジティブ方向に活かされており、不能に陥った男の悲壮感と屈折した人間性が、しっかりと滲み出ている。

惜しむらくは、心を塞いでいる人間に対して、大声で怒鳴りつけたり、力でねじ伏せたりする場面が、あまりにも多いところ。フィクションの世界では、それで通用するのかも知れないが、現実世界では逆効果なので止めたほうが良い。

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