わかめ昆布

渇き。のわかめ昆布のレビュー・感想・評価

渇き。(2013年製作の映画)
3.8
「落ちた穴が深すぎて、ずっとずっと落ち続ける」

大きなスクリーンの最前列で、首を痛めながら見た記憶では、なんだこのバイオレンス映画は…てか絶対デートで見るやつじゃないでしょ…と気不味い思いしかなかったが、もう一度じっくり見たら面白かった。

80〜90年代邦画とアメコミが混ざった雰囲気のオープニングが好き。
ずっとブチギレてて汗まみれの役所広司が最高。
精神病的な描写もなかなかで、現実と非現実の境目の曖昧さは映画ならではの表現力。

そして小松菜奈姫。J K役やらせると、キラッキラ。誰も叶わなくなっちゃう。
一生JKって感じ。最高にノリノリ。
完全に小松菜奈の独擅場かと早計していたが、他の俳優陣も素晴らしい。

森川葵はまたまた坊主。しかもピンク。
役に対する気合の入り方がいつでも最高潮。
血まみれなのも息が止まるほど美しかった。

サイコパスな妻夫木はキレッキレ。好き。
中谷美紀の迫真の演技も良かった。
いじめられっ子の美しい造形も◎

嫁は自分も浮気してるのに被害者ヅラだし、少しうるさかった…基本的にはクレイジーすぎる役所が良くないが。

悪くないぶっ飛び方だし、根底に流れるものがきちんとあって楽しめた。
加奈子の狂ってしまった愛情の向け方、捉え方が悲しかったな。

中島監督仕込みの俳優たちの話し方も心地良く。
美しく狂わせるのが上手いのはさすがです。

原作も絶対に読みたい✔️
わかめ昆布

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