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シチリア!
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『シチリア!』に投稿された感想・評価

菩薩

菩薩の感想・評価

4.0
自分を偽らないと故郷に帰れない謎のギョロ目の男と、息子の前で一切を偽らない明け透けな母、人は何故、故郷に帰るのだろうか。駆け落ちした(追い出された?)自分のおとんをフルボッコにするおかんの話など聞きとう無いが、おかんの昼下がりの情事はもっと耳を塞ぎたい、あの「谷」とは一体なんなのだろうか…。浮気をするより詩を書く方が悪質だと語るおかん、男に必要なのは優しさでは無く逞しさだと。冬はニシンに夏はピーマン、腹が減ったら蝉にカタツムリ、俺なら確実にグレる。クルクル縦に回る研ぎ師の研ぎ石とクルリと横に回る研ぎ師自身、大砲なんてどうやって磨くつもりなのか。シチリアの車窓のゲシュタルト崩壊、行っては戻り、また戻っては行く、小気味好いリズムを突如切り裂く沈黙と黒味、されどシチリア、オレンジは今日も売れないのか。
pika

pikaの感想・評価

4.5
まだまだ映画の世界は奥深い。これまでに見たどんな映画にも似ていない強烈な個性に衝撃を受けた。
DVDに「舞台版」が入っていることもあり、確かに劇的な何かが起きるでもなく延々ずっと誰かと誰かが会話しているだけの映画なので舞台でも楽しめそう、とは言えこの作品は会話を楽しむというものではなく、随所に見られる「演出」が映画でなければならない必要性を生み出していて、真っ直ぐに惹き付けてしまう魅力がある。

ガーーッと何を喋ってるのか理解が半テンポずれるくらい言葉で覆われた直後にピタッと無表情になり言葉が消えるという緩急がヤバい。
絶妙なタイミングでそれらが繰り広げられ重なり、画面の美しさと構図、頭に浮かび上がらせるイメージまでをも含んでみるみるうちに映画に没入してハマっちゃう映画の吸引力がとにかく凄い。

意味がなさそうな言葉の中に隠喩があるような意味深さが常にあり、直接的に興味惹かれる会話とそれが交互に重なるリズムが絶妙で、言葉と間を生む演出が深層にある哲学的な問いを炙り出したり。
何だか如何様にも楽しめる多面的な印象で、単純に会話劇を見ているだけでも面白いし、意図的な演出とのバランスで映画に酔いしれてもいいし、それらの中に見出した普遍的な人間の思考や生活、哲学を拾い上げて夢想してもいいしと、見る度に色んな楽しみ方があり得てその度に様々な解釈に興奮し得るようで見終わってもドキドキが止まらない。

物凄い衝撃を受けた傑作でした。何度も見たいー!映画って素晴らしい!
すストローブ=ユイレの余白。
ジャン=マリー・ストローブ&ダニエル・ユイレ。
「捉え所が無い」、そんな第一印象を受けた。
チェーザレ・パヴェーゼと同年代の作家、エリオ・ヴィットリーニによる反ファシスト文学『シチリアでの会話』を舞台化・映画化した作品である。

ストローブ=ユイレのアダプテーションは、余りに独特である。
彼等は、他の作家であれば演技台詞や舞台装置、或いはナレーションで説明する登場人物の心情や背景、経緯を大胆に削除し、舞台背景をすら変更する。
この為、彼等の原作有りきの映画化作品は、原作を読んで居ないと極端に理解し難い物がある。

そんな作品群を理解する際に大切なのは、“彼等がデクパージュの際、何を取り出したか、では無く何を描かなかったか”であろう。
本作を例に取ると、原作によれば全て詳細に説明・描写されている背景や思考、更に会話の起こる“現場”以外の情報が、映画から大幅に割愛されている事が判る。
では、彼等は何故説明しないのか。
それは、目に見えない物だからだ、と私は考える。
例えば或る人物の心理や背景、彼が何処へ何をしに行くのか、と云った経緯は、現実に即して考えれば目に見えないのが通常である。
ジャン=マリーとダニエルは、この「現実」を其の儘作品へ載せて来る。
それは一見不親切で無愛想にも見えるが、長回しによる余白時間も有り、我々鑑賞者へ熟考と思弁を齎すのである。
舞台背景の変更に就いても、恐らく特定の地域・時代の話とはせず、普遍性の効果を狙っての事と思われる。

扨、本作は或る男性が港でオレンジを食べるシーンから始まる。
非常に現代的な感を受けるシーンであるが、例によってその港が何処で、彼が何者で、何処へ行くのかは全て極端に断片的な会話より想像するより無い。
プロットしては帰郷物であり、母子関係と貞節、そしてもの寂れたシチリアの地域社会に纏わる物語であるのだが、淡々と流れる為、それ等全てが判然とするのは恐らくエンドクレジットが流れ出してから、ラストの研ぎ師の言葉を反芻した際となろう。

また、本作に於いては会話法にも注目したい。
通常映画では、対話と呼ばれる手法によって会話が進められるが、本作は継穂型の会話が多い様に見受けられた。
具体的には一つのセンテンスとそれへの反応、と言った従来の型とは異なり、二人の話者が相手の言葉を受け、更に自己の言葉を載せる事で一つのセンテンスを形作る手法である。
この会話法は冒頭港のシークエンスや列車内の警官二人、また母子の再会間も無いシーンで用いられており、本来ぎこちない間柄である話者二人の会話をある種の滑らかさを持って演出する。
この為我々は、ヤマ場に居ながらにしてそれを認識出来ず、上記夫妻のアダプテーションと併せて作者の思惑から逃れ、俯瞰した見地より物語を眺める事となる。

所謂没入感とは正反対の地平から物語を眺める作家、ストローブ=ユイレ。
我々にもその独特な見地を教えてくれる作品である。

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