私の好きなモノすべての作品情報・感想・評価

私の好きなモノすべて1992年製作の映画)

Vsetko co mam rad

製作国:

上映時間:92分

ジャンル:

3.7

「私の好きなモノすべて」に投稿された感想・評価

["私"の好きなモノすべてを揃えた"ヴンダーカンマー"] 99点(OoC )

サンライズ、美しい英語教師、ちょいと反抗期の息子、イカれた元妻、家が嫌いな父にウサギが殺せない母、そして、イジー・メンツェル。トマシュが或いはシュリークが好きなものを揃えて並べた"ヴンダーカンマー"のような映画。緩く相互作用しているトマシュの人生の断片を短編小説集みたいに並べている。別に美しくもなんともない→いや、どうなんだろう→やっぱ美しいよ!→最高じゃないか!!という思考プロセスを毎回踏ませてきて不思議な感覚に陥る、天才的な断片の数々。

細かな章分けと象徴的な題名に『グレン・グールドをめぐる32章』や『女王陛下のお気に入り』を思い出した。私も瑠璃色の車買って田園風景に置いてみようとも思った。
DarcyAnam

DarcyAnamの感想・評価

1.0
最後まで観た自分を褒めたくなる程には面白くなかった。
箇条書き風にシーンを羅列していく映画は好きなんだけど、これは余りにも退屈だった。資料映像を観てる気分になる。
最初と最後の朝陽と夕陽の色が綺麗だったのが良かったくらいかな。
もとこ

もとこの感想・評価

3.7
それは切り貼りしたスクラップブック
ずっと変わらずの宝物も
そのときの気分のお気に入りも
昔はそんなんじゃなかったけど好きになったのも全部ぜんぶ!
まとまらない頭をそのまま写した消えない思い出

リボンでくるんでプレゼントしてあげる

輝く瞳をさらにキラキラさせて次のページをめくって
「ねえ、もっとひかりましょうよ」
pika

pikaの感想・評価

3.5
何がどう良いとか上手く言葉にできないんだけどめっちゃ面白い。映画に余白がたっぷりあるので見ながら色々考えていたが示唆的なものとか暗示的なものとかどうもわからないし、見ていくと映像外のことなんてどうでも良いんじゃないかと思えてくる。
オープニングの湖だか海での日の出のシーン。なだらかな水面とオレンジに染まる空をただフィックスで数分間切り取っているだけで退屈にも思える時間であるのに、映画として注視させられると普段退屈だと思って知覚していない瞬間って全然退屈ではないんだと気付かされるような目の離せない味わいがある。全編そんな感じで、しょうもない男の家族とのやり取りを延々と見せられるんだけど、狭小的な世界とは正反対にスロバキアの自然が爽快なほど美しく、普段自然に存在しているものたちに背を向け、人工的に作られたものばかりを追い求め埋もれていく現代の生活の虚しさを思い起こさせる。他国の風景であるのに妙なノスタルジーがあり、自然物はどんな場所でも想起することのできるものなんだと、映画で見ることでしか目に入らないのだろうかと思わされるくらい、ただ撮っているだけなのに何よりも美しい。

バツイチ中年男の恋愛と家族の日々を切り取ったドラマで、ドラマとも言えないようなありふれた毎日が映されている。なにやら変化を求めてじいさんにインタビューをしたり断食に挑戦したりしている。イギリス人の恋人と息子、別れた元妻と両親とか、無職でプラプラしながら彼らと会ったり話したり。日々のワンシーンを章仕立てで切り取り表題を付けて羅列する。映画的な劇的さのある出来事は起きないし、何かを訴えかけるような意図も見えない。ただただ切り取っただけなのに何がしかの暗示めいたものが漂う。劇的でもない普遍的な日々を生きるというのは、立場や状況は違えど同一のものというような、フィクションの他人事を眺めているのに自分の中に自然と浸透してくる。血の繋がった家族や愛で繋がった者たちとの関係とは、相手を思いやっているようで主観でしか見ていないし、心配しているようで身勝手である。変化を求めながらも過去にすがるような、言葉では区切られない曖昧な感情が滴り落ちる。冷徹なようでその距離感に安堵してしまうような、愛とか思いやりなどの重要ではあるが面倒な、求めていても与えるのが難儀な、自分以外の他人との関わりというものを提示させられる。

見たこともない他国の自然にノスタルジーを感じるように、作られた映画の中のキャラクターに自分を見てしまう感覚。変化を求めながら幸せでも不幸でもない日常を、日々悩みながら生きていくことが人生か。
私も好きなモノ(+コト)をお気に入りのノートに羅列している。何の関連性も無いそれらのひとつひとつが私を形作っていると気づかされる。

主人公の男を形作っている好きなモノの物語がチーン♪とベルの音と共に21章延々と披露される。誰もが頷くモノ、誰にも理解できないようなモノ、誰かと共有したいモノ…それでいいんだよ概念なんか要らないんだよと穏やかな気持ちにさせてくれる。

この世界観は私の好きなモノのひとつ☆
但し観る人によってはひどく退屈かも…
monaminami

monaminamiの感想・評価

5.0
なんかもう、幸せな気分になる。
休日にみて大正解。
オープニングの日の出からどのカットも美しく愛おしい。どの好きなものたちも、ノスタルジーや滑稽さに溢れて、主人公の人柄が浮かび上がってきて人生!てな感じ。
実家の森の中の家に住みたいし、ドナウ川からウィーンに行ってみたい。
人の内側は育った環境と経験したこと考えたこと五感で感じたことすべてからできている。同じ好きなものがたくさんあったらきっと私たち気があうね。

あなたの好きなものはなんだろう。夕暮れは好きかな。夏は好き?外でごはんを食べるのは?ビートルズの歌はどれが好き?あなたの引出しを21こも開けて見せてくれたから、私はあなたとすこし近くなれた気がする。触れるほど近くじゃないけれど手紙を書きたいと思うくらいの距離にまで。

好きなものと好きなもののあいだに隠れているなにかがある。それがもどかしくて、その"なにか"に時々嫉妬する。この映画はそれを痛いほど感じさせてくれる。心の奥底に眠っていた郷愁を呼び覚まされるほどの、たいせつな画集のような美しい映像とともに。
kentaro

kentaroの感想・評価

-
最近は全くと言っていいほど、映画に興味がなく、心揺さぶられる感覚を忘れてしまったが、『不思議な世界絵図』同様、この映画に出会えてよかった、と思わせてくれた。

この映画の、朝陽がゆっくりと登る最初のシーン、これだけでわかってもらえるはずです。
otom

otomの感想・評価

5.0
積み上げられてきた好きなものと云うのは人それぞれなのだ。変なものが好きでも自分が好きならそれで良い。21章に分けられた中年男の時に美しく時に滑稽な好きなものを見ていると、自然と自分の好きなものの確認作業をしてみたくなる。マルティン•シュリークの映像は静かでとても良い。傑作。
10年前に一度観ただけのなのに、何故だろう、突然この映画のランチのシーンが頭に降ってくる時がある。
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