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沈まない三つの家のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

沈まない三つの家(2013年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

大きな川が流れる町の三つの家族の物語。
離婚が決まった両親からどちらに着いて行くかを決めろと言われた姉妹の話、父親を事故で亡くした少女が、ある目的から難病に侵された父の弟を見舞う話の2話が中心の60分の中編作品。

以前鑑賞した「チチを撮りに」が僕的大ヒットであった中野量太監督の作品。
この監督はほぼ一貫して家族と死をテーマにした人情ものをコミカルに描いた作品を撮っているように思えるが、本作も重いエピソードとユーモアのバランスが絶妙。魅力的な登場人物の造形と伏線の張り方が巧みで、第1話の登場人物のセリフが第2話の別の人物の行動に関連していたり、同じ店で両ヒロインが同時に万引きしていたことが後々分かるなど細かい工夫が随所に見られた。第1話と2話に絡む3つ目のエピソードのオチも物悲しくて趣きがあった。コンビニ店長が良い人過ぎる。2話目は割と重めのストーリーで、ヒロインの目的は薄々分かっていたものの、結末の部分は衝撃的だったし泣けた。
第1話のヒロイン役の女優さんは「チチを撮りに」でも主演しており、両親が離婚している姉妹の妹役というところまで共通していたが、また違った雰囲気の難しい役柄を演じていた。やはり幸薄そう^_^

鑑賞後、特典映像の予告編を見たが、予告だけだとものすごい暗い映画に感じる。
そこそこハートフルな良い映画ですよ。
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