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リピーテッドのRのレビュー・感想・評価

リピーテッド(2014年製作の映画)
3.7
前回2018/8/30にレビュー投稿⭐️3.4。これくらいの作品を2度見ることは普段しませんが、2023/02/02に原作Before I Go To Sleepを読了後、リピーテッド2回目見たので、感想が少々変わるかもと思い再投稿。ちなみに、原作に対する感想も、読書メーターにアップしたのをいちおう引用……↓↓↓

映画版は見ててそんなに好きじゃなかったのですが、今回Baeのピックにより読んでみた。若き日よりひどい記憶喪失で、毎朝目が覚めると記憶がリセットされてるというおばさんが、起きて鏡を見ては、え!私! いつの間にこんなおばさんに…と衝撃を受け、隣で寝てる夫が誰なのか分からない。それが延々と繰り返されながら、少しずつ盛り上がっていくスローペース期間が若干長いな、と思っていたが、後半に怒涛の如く押し寄せる戦慄で全てペイオフ。あの長さがないとこんなにすっとキャラや内容が頭に入ってこないわな。映画より全然小説推し!

↑↑↑これ書いたあと、自分の2018年の感想を見て面白いことを発見。以下、2018年の感想文↓↓↓

眼球ドアップからズームアウトしていくと、お布団に眠ってるニコールキッドマン。顔に刻まれたシワ、血管の浮き出た腕、ハリのない髪、隠すことなく老いをさらけ出し、よろよろ洗面所に向かう。ここはどこだろう。ふと見ると、ベンという男と自分との仲睦まじき写真がたくさん壁に貼ってある。寝室に戻ると、ボクは君の夫だ、とベッドから名乗るベン。この人はだれ…? といきなりものすごい混乱の渦中から始まるサスペンス。ニコール・キッドマン演じるクリスティーンは、怪我の後遺症で1日しか記憶が保持できず、夜寝て目がさめるたびに記憶が20代前半の状態に戻ってしまう。そんなクリスティーンを10年間世話し続ける夫ベン。彼がいつものように仕事に出て行くと、突然主治医のナッシュと名乗る男から電話がかかってくる。ベンには内緒で、クローゼットに隠したカメラで日々の記録を残してもらってて、そうしながら何とか彼女の記憶を回復できないか探っているという。だが、とにかくクリスティーンは目覚めるたびに何も覚えてないし、ベンは何か秘密を隠してる風で、嘘の過去を語ってたりするし、医師は医師でクリスティーンに特別な興味があるようだ。怪しい、みんな、怪しい、とだんだん見てるこっちがパラノイア。一体、何が真実なのか? 誰がホントにクリスティーンのために動いてるのか? そして、クリスティーンはこの大問題を解決できるのか? ベン演じるコリンファース、ナッシュ演じるマークストロングと、素晴らしく魅力的な主演揃いで、かなり見応えがあり、テンポもよし。中盤のとりあえず眠らしてしまえばこっちのもの的展開と、まずいタイミングでのベンの帰宅シーンのハラハラとか面白いんやけど、終盤のガチャガチャしたバトルシーン以降急速に面白さが低下、そして、エンディングに出てくる男が……まさかの最後で完全ミスキャスト⁈ 悪人にしか見えへんかってんけど笑 しかも最後ふつーにいい話で終わるんかい!っていう。テーマ的にもっとヒネリをきかしてくるかなと思っていたが、そこそこ大きい驚きはふたつくらいで、しかも衝撃ってほどでもない。同じような話だと、メメントという大衝撃の傑作があるので、それと比べるとめちゃくちゃ大味で標準的な作りのサスペンスやった。まぁ別に悪くないんすけどね。ぽんぽん進むしまぁまぁ没入できるし上映時間が短いので、すっげー短く感じた。個人的にはもっと長くていいから、もっと深みがあればなーって思った。キャラがみなちょっと記号的すぎまいか。クレアの存在感はよかったけど。あとイギリス映画っぽさあんまなかった! ハリウッドっぽい。それにしても、ほんま人類ていろんなことにかこつけてよく不倫するよねー。逆に不倫がよくないという考えの方を改めたほうがええんちゃうか。

↑↑↑上の「個人的にはもっと長くていいから、もっと深みがあればなーって思った」というまさにこの部分を、原作がやってくれてる。原作は盛り上がるまでに少々忍耐がいるが、中盤ちょい過ぎで衝撃的な展開が待っており、全身鳥肌、えっ!!!て大声出してしまった。その同じ部分が、映画では十分な助走がない分サラッと行っちゃって、逆にコワ……ってなる部分が原作と違ってた。

ここからはちょっとだけネタバレになるかもなので、見ていない方は読まないほうがよろしいかも。


さて、映画で怖かったのはベンを演じるコリンファースの演技。感情の計り知れない無表情が怖くて、普段の愛すべきコリンファースとまったく違う雰囲気。こんな怖い演技できるのかと肝が冷えたよ。逆にニコールキッドマンは演技がちょっとビミョー? 演出が良くないからかもしれんけど、心コロコロ変わる様子がかなり阿呆に見えた。で、もうひとつ怖いのが、後半の写真の異変に気づくシーン。このシーンは鳥肌モノだった。この2点以外は、んー、やっぱ話の展開が早すぎて、キャラに対する感情移入がぜんぜんできないという点が致命的な気がした。映像はカッコいいんやけどな。やっぱマジもんの名作は人間性のコアに触れるからこそ、感動するんだな、と再確認。ただ、ナッシュ博士に関しては、マークストロングがほんまセクシーでカッコよかった! のと、最後のベンに関しては、前回鑑賞時とまったく同じ感想で笑った🤣 不思議なことに、原作読んでからの方が映画をより楽しめたのはどういう効果でしょう。やっぱどういうふうにアダプテーションしてるのかをじっくり見ようとするから、2倍分くらい楽しめちゃうのかな。原作と違うとこ見つけるのも、ほー、なるほどー、そういうアレンジねー、とか思って面白かった。原作では日記なのが、映画ではビデオカメラになってたり、息子さんのキャラが全然違ったり。ちなみに原作はさすがInternational bestsellerなだけあってかなり面白かった。本読みながらこんなにスリルを感じたの久々だったので、すごく楽しめた。というわけで、映画→原作→映画企画を今後もやっていきたいな、と。実は、君の名前で僕を呼んで、もやったんやけど、そのときはレビュー書き直さなかったんすよねー。当時最高にメンヘラ化してたので……笑 後悔。書き直しとけばよかった! まーこっちは映画も原作も信じられないくらい名作なんで、また数年後にでもやるかなー。と思ってたら、早速その機会が訪れそう❤️
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