あまのかぐや

高慢と偏見とゾンビのあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

高慢と偏見とゾンビ(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

高慢と偏見と・・・ゾンビ。
このタイトル、インパクトありますね。今世紀一番ぐらいのトンデモ映画のにおい。

以前、クドカンが「歌舞伎+ぞんび芝居」を融合させた「大江戸りびんぐでっど」という企画モノを中村勘三郎主演で「歌舞伎」として上演しました。まだ歌舞伎座が昔の建物だったころのこと、わたしは大変たのしく観たのですが周りの常連さんたちはドン引きしていたのが、昨日のことのように思い出されます。あの「ぞんび」は下請け派遣労働者の比喩で、ノリも(クドカンですから)かなりはっちゃけた内容でした。

ですから、こちらも、そんなはちゃめちゃ映画を想像しましたが、意外におおマジでした。

18世紀イギリスの片田舎に住む5人姉妹とお母様を中心に、身分違いの恋あり、剣劇あり、ゾンビあり。

・・・ゾンビ。あり。・・・

ゾンビは18世紀英国における何かの象徴かな?なんて予想しましたが、小難しく考えることない、ふつーにゾンビ(笑)

たぶん、見せたかったのは「高慢と偏見」部分なんだろうな。
B級感がなかったのは、衣装もセットもセリフまわしも本格的だったから。

カクテルの割合でいえばバトル3、ゾンビ2、高慢と偏見5ぐらいの調合かとおもいました。

上品なドレスを、スリット部分でガッと割ってのアクションは本格的だし、かなり見応えあります。
血糊もはらわたも脳漿もおさえめ(でも銃の轟音はものすごい迫力でした)
ゾンビは顔面や体の一部が損壊してはいるけど、けっこう生活者にとけ込んでいる気がします(しゃべるし!)・・・だからやっぱり何かの象徴なのかなぁ、という気もします。

といいつつ、最近だとオリジナルの「高慢と偏見」はまだ観ていないのでした!
やはり、オリジナル観たほうがいっそう楽しめるみたいだし、これ観たあとは間違いなくオリジナルを観ておさらいしたくなりますな。

主演の子の名前、リリー・コリンズだとおもっていましたが、コリンズは「白雪姫」のほう。
リリー・ジェームズは「シンデレラ」のほう。よし覚えた。
今後はリリー・ジェームズは「ゾンビのほう」って言われるのかな。

ちなみにわたしの並びには「高慢と偏見」を期待した熟年夫婦。うしろには「ゾンビ」を期待したであろう高校生男子2人連れ。双方とも言葉少なに帰っていきました。
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