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博士と彼女のセオリーのYYamadaのレビュー・感想・評価

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)
3.6
【アカデミック映画】
 ~映画を通じて功績を学ぶ~

◆人物
 🇬🇧スティーヴン・ホーキング
 (1942年1月8日 - 2018年3月14日)
◆学術分野
 宇宙論、理論物理学者
◆映画で描かれる功績
 ブラックホールや
 宇宙の起源に関する発表

〈見処〉
①現代につながる功績は!?
・『博士と彼女のセオリー』(原題: The Theory of Everything)は、2014年に製作された、理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士と彼の元妻ジェーン・ホーキングの関係を描いた伝記映画。第87回アカデミー賞では5部門にノミネートされ、エディ・レッドメインが主演男優賞を受賞している。
・本作の舞台は1960年代のイギリス。天才物理学者として将来有望なスティーヴン・ホーキング(レッドメイン)はケンブリッジ大学大学院に在籍中、文学を専攻するジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)と恋に落ちる。
・しかしながら、その直後、彼はALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、余命は2年だと言われてしまう。共に困難を乗り越え、彼を支えることを選んだジェーンは、二人で力を合わせて難病に立ち向かっていく…(シネマトゥディより)
・本作では、妻ジェーンのサポートにより、ホーキングがALS発症後も研究を続け、従来にはなかった、時間的な側面からアプローチしたブラックホールや宇宙の起源(ビッグ・バン)に関する発表など、宇宙論の第一人者となっていく出来事と、彼の病魔が蝕まれていく様が描かれている。
・本作が公開された時点では、ホーキング博士が在命であったことが興味深い。

②恋愛・人間ドラマとして
・本作では2人の幸せな時代の描写は長くなく、開始20分にてALS発症が発症。その後のホーキング博士の現況を知り得ている鑑賞者にとっても、残り100分間の病魔の進行は見ていて辛い。
・本作は妻ジェーン・ホーキングによる2004年の回顧録『Travelling to Infinity: My Life with Stephen』をもとに脚本化されたため、妻視点の描写が多く、「二つの三角関係」に対しても、美化されすぎのような気がする…

③結び…本作の見処は?
◎: 病魔の進行が明らかにわかるエディ・レッドメインによる迫真の演技は一見の価値あり。納得のアカデミー主演賞。
○: 2人の出会い~結婚までを描く前半30分は純粋な恋愛・人間ドラマとして優れている。
○:登場人物に嫌な人がいないのは、ストレスがなくて良い。
▲: ホーキング博士の研究成果は何なのか描写が弱い。ラストのスピーチもメッセージ性は薄い。
▲:作品の時間配分が発症後に偏りながら、後半には大きなドラマがある訳でもなく、観ていて欝が蓄積していく。
▲: 子供3人は、出産以外ストーリーに大きく絡まず、家族愛をあまり感じない。
×: 長年の介護疲れによる不倫を美化?本作のテーマは一体何なのだろうか?
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