あまのかぐや

最後まで行くのあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

最後まで行く(2014年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ面白かったー!
今年は、気になる韓国映画の公開が目白押しだけど、「逃げ場なし!」の劇場で観る勇気がないので、家で旧作のDVD鑑賞してます


監査が迫っている汚職刑事コ・ゴンス。運転中、携帯で隠ぺいの後始末などのやりとりをしながら母の葬儀へ急ぐ道すがら、ひき逃げ事件を起こしてしまう。携帯には、実母の葬儀会場から「何してるの?喪主がいないと困る」と妹からの電話が…。
開始10分で、この三方板挟みのじりじり感。

え!いま始まったばかりなんですけど!これが2時間近く続くのか?!トムハーディの「オンザハイウェイ」でいえば、後半のクライマックスが冒頭から、という感じでです。

汚職の隠ぺい以上に隠さなければいけない死体。そして迫る母の葬儀。

コ刑事は韓国映画でよくみる、クソ刑事なんだけど、どこか小心なところもあり、また土壇場のあの状況で頭をフル回転してどうにか切り抜ける奮闘ぶりが、凝った倒叙ミステリーをみているようで引き込まれる。

でもどこかおおざっぱで雑なところが(刑事部屋の会話や同僚たちのゆるさなど)韓国映画の愛すべきところです。事故現場の監視カメラの映像分析とか笑った笑った。

霊安室に死体を持ち込んだり、母の棺に死体を隠したり、監視カメラに細工したり、・・・そんなんうまくいくわけないだろ!ってところも、非常に面白くそしてハラハラしながら、時に爆笑しながら観ました。

しかし。
しかしですよ。途中で彼のひき逃げを知っているものからの脅迫がはじまったあたりから、「キタコレ!」な韓国バイオレンスが炸裂。

グロや血糊や脳漿などの要素が少ない分、精神的な追い詰められ感は、さすがの脚本力と感心しました。

主人公のコ・ゴンス刑事を演じるイ・ソンギュンが松重豊に見えたり、保阪 尚希にみえたり、とにかく気弱そうな小心そうなところが、とても良いんですよ。クソ刑事なのに肩入れしてしまう。「万事休す」になったときの間というか表情がとてもいい。

そしてラスボスというか、後半でものすごい存在感を発揮するチョ・ジヌン。舞の海さんを邪悪にしたようなルックスが強烈だしコ刑事の自宅に登場してからの室内からバスルームのバイオレンスシーンは圧巻です。
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