きまぐれ熊

ピエロがお前を嘲笑うのきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)
3.9
これは...素晴らしいな。
ただちょっと上級者向けかもしれない。
どんでん返しが気持ちいい作品なんだけど、ある程度どんでん返しのお約束を知らないと訳がわからないだけで終わってしまうかもしれない。自分は騙されないと思っている人にこそお勧めしたいタイプの映画だ。

難点としては前半が非常にヤボったい上、ヒロイン・マリの全く可愛くないこと。
いや分かってますよ、真のヒロインは連邦捜査官のハンナだってことは。妙齢のおばちゃんなんだけど離婚した旦那と職場で再会するって状況も含めて、リアルな疲れ方がセクシーかつ魅力的に描かれてる。
そして前半の退屈さを生み出している構成すらも物語上必然でした。

ラスト20分位まで「しょーもな...」と思ってた要素全部前振りだったので完全にやられました。

ハッキングの手法もかなり必要最低限な説明なので理解が難しいけど、物語的な意図はしっかり込められているので雰囲気は容易に受け取れる。ハッキングをサイバー空間に見立てた地下鉄の車内で表現するのはオシャレかつ分かりやすい。ナイスアイディア。

チェンソーマンop巡りとして見たんだけど、なるほどなぁ。シャッターポーズをマキマに切らせているのを含めて素晴らしいオマージュでした。

あと主人公の俳優の顔立ちといい、扱うモチーフといい、完全にファイトクラブ フォロワーだよね。テーマ性は全く違うんですけれど。
きまぐれ熊

きまぐれ熊