平野レミゼラブル

ピエロがお前を嘲笑うの平野レミゼラブルのレビュー・感想・評価

ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)
3.3
『Kein System ist sicher(安全なシステムは存在しない)』
『Clowns Laugh At You(ピエロがお前を嘲笑う)』

警察に出頭した天才ハッカーが自らのハッキングチーム「CLAY」の犯罪を告白するところから始まるマインドファック・ムービー。
『マインドファック』とは観客の意表をつくという意味合いであり、つまるところ「大どんでん返し」や「ラスト○分、あなたはきっと騙される!!」や「舞台は精神病棟、果たして犯人は?」と同じ意味合いである。
そういうの事前に言っちゃ駄目だと思う!!

それはそれとして本作は冒頭主人公が自らの生い立ちを語るシーンから、かなり雰囲気がスカした格好良さを放っている。
特にサイバー空間を地下鉄に見立てて、マスクを被ったハッカー達がやり取りをする一連の表現はひたすらCOOLだ。
というか邦題の時点でなんかオサレ感があるよね。チーム名の直訳だけど、マインドファックとも掛けてあってマッチしてるし非常に秀逸なタイトルだと思う。

内容としても「システムの欠陥はいつだってヒューマンエラー」と序盤で示してからそれを一貫しているため、CLAYの仕掛けるハッキング(物理)への違和感も少ない。
ただ、流石に追跡されるシーンなどは「机の下に隠れるだけでなんで見つからないんだよ!」っていう馬鹿さが優ってしまう。
そんな感じに相応にB級っぽい要素もあるんでそこはトントンかなァ。

しかしまあ肝心のマインドファック部分に関しては、この手のもののお約束ではあるけれどもあまり期待しすぎてはいけないよとだけ…
いや自分としては意表を突かれた方なんだけれども、結構規定内ではあったかなーと。
CLAYメンバー間での交流イベントがもうちょいあれば、結構な驚きや説得力に繋がったんじゃないかとも思ったり。

総評としては凡作と良作の間を浮遊している感じ。
そこまで期待しすぎるでもなく、ただ「映像カッケェー!!」くらいの気持ちで観るとちょうどいいです。