平野レミゼラブル

いつだってやめられる 7人の危ない教授たちの平野レミゼラブルのレビュー・感想・評価

3.9
ソウスリャナンデモ

キープ・イット・グリージー

って何!?

職にあぶれた7人の教授がそれぞれの得意分野を活かして麻薬密造&密売チームを作るイタリア版「オーシャンズ」とでも言うべきクライムコメディ。
まぁただ彼らはオーシャンさん達と違って頭デッカチで専門分野以外はポンコツな人達。
麻薬を作るための分子と計算の解釈違いで開始前から破綻しかけたり、麻薬の効能を調べるために服用者にお客様アンケートを試みる化学者の鑑にして密売人失格だったり、そもそもラリってる奴がまともに答えられるわけなかったり、じゃあ俺で実験すればいいじゃん!!で案の定ラリラリのヤク中と成り果てたり…
そんなこんなで割とgdgdだが、なんか成り行きで大成功してしまうという上げて落ちるしかないであろうルートに突入。
案の定マジモンのヤベェーマフィアまで出てきてしまったが、彼らはマフィアに勝てるのだろうか?(ヒント:か弱い教授たちなのでマフィアは無理)

本作の7人の教授たちは合法とは言え中毒性が激ヤバな自家製麻薬を若者たちに売り付け、その過程で冒頭で語るような余罪まで繰り広げる「アリーヴェ・デルチ」不可避な悪党どもなのだが、それぞれの苦境が切実で世知辛いため割と普通に応援(?)できる。
内容こそコメディだが、そもそものリストラされる専門分野の教授たちというのが現代日本でも当てはまる社会問題。その辺りの風刺も効いており、要は落ちぶれた底辺層の一発逆転劇なのだ。
麻薬の犠牲になるのも大体講義すらまともに受けてない馬鹿学生達で、奴らも教授たちの復讐対象のようなもんだしええやろ。

まあなんかまるで社会問題に切り込んだシリアスな作品みたいな説明しちゃったけど、ぶっちゃけ無関係な無辜の市民が巻き込まれた酷いシーンが一番笑えたし(真面目な学生だったのにとばっちりすぎる…)基本は何も考えずにワハハと楽しめる作品だ。
教授たちは何やら難しいこと言ってるけど基本ノイズ。専門分野じゃない他の教授も(何言ってんだコイツ?)みたいな顔してるから聞き流してOK。
後半からの今まで手に入れた手札を全て使用して収集させる手はずもスマートだし、脚本もインテリジェンスとバカが同居していて凄くよく練られている。
ただ7人いる教授たちの中で言語学者とかあからさまに役に立ってない人がいたのは残念かなァ。全3部作らしいし、そっちで活躍したりするのかしら?
オススメ!


あっ!あと

ソウスリャナンデモ

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