カエル王ちゃん

シチズンフォー スノーデンの暴露のカエル王ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

2014年に #シチズンフォー の元となった本は既に読んでいた。文章でもその内容は衝撃的だったが映像によりその衝撃にスリルが補完されたように思えた。布を被ってからのタイピングや取材を妨害するかのような火災報知器の点検音、それらはスパイ映画の演出ではなく実際にそこで起こったことだ。キャリアどころか人生を棒に振るような行動は、本人が何度も強調したように、問題を明るみに出すだめであり、人格に注目が集まるには本人が望むところではなかった。この点、スノーデンは報道の門外漢というが地味にワイドショー的人格報道に釘をさすような言葉であった。およそ2時間の時間ではあのリークを全て扱う余裕はないので、米英が進める極秘の情報収集のスクープ発表がメインだった。しかしながら、人気の高いオバマ大統領が裏で明るみになるまで酷い人権侵害を行い、それをひた隠しにしていたことは、覚えていていいだろう。#シチズンフォー の中で自由は現代においてプライバシーを指すと言われたが、同時にプライバシーのほとんどはネット上に転がっている無防備なものでもある。普段、北朝鮮などの独裁国家の存在を傍目で見ているが、ひとたびプライバシーが筒抜けになれば自由を失い、いつでも国は北朝鮮となり得る。全く何事も対岸の火事ではないのだ。情報は既に筒抜けかもしれないし将来そうなるかもしれない。しかし、たとえそうなっても取るべきはスノーデンが選んだ堂々と声を上げるという道。萎縮、自制して誰も何も言わなくなること。 #シチズンフォー が警鐘を鳴らす所はこれであろう。