母の愛した男をめぐって15歳の王女が繰り広げる背徳に満ちた恋のお話。
岸田今日子の同名の短編小説を基に制作された作品。また、チェコスロバキアのスタッフとの合作でもあるため、それまでの川本作品から感じる様式美とはまた違った、味わいのある作品に仕上がっておりました!!
優しげな童話のような入り口から、怪しい大人の世界へと移行していく過程をエロティシズムあふれる幻想的なタッチで描き、時に生身の人間以上の情感を生み出す人形たちは言わずもがな、そこに加わる光と影、風と霧の表現も素晴らしかったです!
また、原作者の岸田今日子さんがナレーションを担当されており、一人称の綴られる物語が迎えるラストシーンでの、皮肉の効いたセリフがとっても印象的でした。