あまのかぐや

レジェンド 狂気の美学のあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

レジェンド 狂気の美学(2015年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

以下、トム・ハーディに興味ない方には面白くもなんともない感想になってます。よってスコアもそんな感じになってます。

最近、MMもレヴェナントもチャイルド44でも、あとそうそうハイウェイも…とにかく出演作軒並み寡黙な男の役ばかりだったから、あのセクシーな唇がむにむに動く様をたくさん見られてうれしい。131分(ながいよ)まるまるトムハ尽くし!なんというご褒美か!

喧嘩も強いが頭もいい、おまけにハンサムさんというカリスマ性溢れる兄のレジ―、最凶バイオレンス弟(しかもゲイ)のロン。1960年代の伝説のギャング、双子のクレイ兄弟の実話だそうです。

まー、このクレイ兄弟をひとりで演じるトムハの芸達者なこと!

バーで待ち伏せした敵対するギャング団相手に素手で戦う双子のシーンは「ぎゅむむ」となりました。トムハ(武器:メリケンサック)とトムハ(武器:ハンマー)が、レトロなスーツ姿で複数相手に肉弾戦ですぜ。なんと美味しい。「キングスマン」のバーのシーンにときめいた人なら間違いなし、オススメです。舞台がロンドンですから、そうかんたんに銃で解決しないところがいいです。

ギャング映画としての骨太さを期待するとやや拍子抜けかもしれません。もっと・・・なんていうかなぁ、そうそう、言ってみればオフビートなノリ?ロンとレジ―が二人画面にいるときの微妙なCG感と、ときどき噴き出してしまうようなヌケたセリフ。ロンドンのウエストエンド地区の猥雑な風俗、この時代のファッションや音楽(アメリカのポップスやソウルっぽいサントラでした)。ときおりかなりCGまるだしな背景などの軽さもあり、ちょっと予想した方向とは違いましたな。

冒頭から流れる女声のナレーション。これがレジ―とお互い一目ぼれで相思相愛となったフランシス(エミリー・ブラウニング)の語りなのですが…ちょっと「華麗なるギャツビー」を軽い感じにしたような時代にながされた感ある悲恋のお話でしたね。

ガチなギャングどうしで使われる「絆」、義兄弟という使い方とは別な双子の「絆」がお互いを縛りあっていて、みていてとても苦しい。精神異常ギリギリのロンが言う「羊水を共有した中」という双子の絆には、ちょっとぞっとしましたね。フランシスとの愛を貫きたい、フランシスの望む堅気の男になりたいと思いながら、レジ―は裏社会とロンから離れられなかった。

出会いからラストまで、フランシスとレジ―のパートは終始ラブロマンス。久しくみていなかった、恋におちたトム・ハーディのキュートな色男ぶりに「ぎゅむむむ」(再び)とヘンな声がでちゃいますな。奥さん。

しかし、結婚式に喪服を着てくるようなお母さんを振り切ってゴールインした二人。フランシスには幸せになってほしかったよ。小動物のような、小鹿のような永作博美のようなフランシス、レトロな髪形もメイクもとても素敵でした。

あのイかれたロンがいつもピシっとスリーピース着こなしてるのは、ママか、おつきの若者たちが御仕度してあげてるからかしらね。

ロンのとりまきのチンピラ(ご寵愛)の一人が、今を時めくタロン・エガートン。ほんとに脇役でびっくりした。

余談ではありますが、わたしがいままでに印象に残っている双子演じ分けは「悪霊島」の岩下志麻さんでした。興味あるかたは是非。レジーとロンもビックリよ。
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