タケオ

特捜部Q 檻の中の女のタケオのレビュー・感想・評価

特捜部Q 檻の中の女(2013年製作の映画)
3.9
「ミレニアム ドラゴン•タトゥーの女」の制作スタッフが手がけたスウェーデンの作家J•エーズラ•オールスン原作の「特捜部Q」シリーズの映画化作品第1弾‼︎

強引な捜査で部下2人を殉職と半身不随へ追い込んでしまい、仲間外れの署員を送り込む左遷部署"特捜部Q"に配属されてしまったカールは、気のいいアラブ系署員のアサドとともに5年前に発生した美人政治家の失踪事件の再調査を極秘で開始するが、思いがけない新事実が判明していき•••?

派手なアクションや大どんでん返しがある訳ではないし、事件のスケールもそんなに大きなものでもない。映画というよりは2時間枠のサスペンス•ドラマのような作品だ。

しかし本作は、主人公の抱えるトラウマと犯人の残虐性と絶望感が絡まり合い、硬派でスリリングな良質サスペンスとして緊迫の97分を全速力で駆け抜ける‼︎

主人公カールと相棒のアサドとのバディ•ムービーとしても秀逸だし、自閉症の青年や謎のレインコートの男、行方不明者の失踪前の不可解な行動や証言の矛盾など散りばめられパズルのピースが徐々に当てはまり全貌が明かされていくシンプルながらも練り込まれた脚本も見事だ。

乾いた閉鎖感が満ち溢れる北欧を舞台に、過去と苦しみに囚われた者たちの悲しくも力強いドラマが交差する‼︎

渋くてハードなサスペンスが好みの方にはオススメの作品です‼︎
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