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ビューティー・インサイドのminorufukuのレビュー・感想・評価

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)
3.6
眠って目覚める度に外見が変化する主人公は、その体質故に1人で生きている。ある日彼は立ち寄った家具店で働く女性に恋をし、意を決して彼女を食事に誘うのだが、その後眠ってしまった彼の外見は変化してしまい…という話。
韓国映画。日本未公開。

以前、予告編を観てその変わった内容から興味がわいていた作品。設定の面白さもさることながら、一つの役柄を123人で演じて形にするのが実際どんな映像になるのか楽しみだった。
観てみると、外見の変わり方は性別、年齢、体のサイズ、視力や国籍までかなりランダムに変わる徹底振りで驚かされる。見た目は変わるものの、ナレーションによる独白や口調、そしてヒロインの変わらぬ接し方などで、1人の人物としてちゃんと感情移入できる作品になっている。デートのシーンはイケメン俳優で盛り上げ、その後は冴えないおじさんに変化して絶望感を表現したりと役者の使い方も適切。初めてヒロインと一夜を共にするシーンが女性に変化しているのも上手い。
ヒロイン役のハン ヒョジュの知的な美しさが際立っていて、ラブストーリーとして愉しめたし、123人の相手役と同じように絡む演技力は感心させられた。後半は、将来の不安から交際を続けていくか迷う2人の葛藤が描かれていてやや重い話になっている。主人公たちは29歳で、特異な設定抜きにしても婚期にある男女の心の揺れ動きを丁寧に語っていて見応えがあった。
この設定を利用してサスペンス調にするとかどんでん返しを用意するとかやりたそうなのに敢えて恋愛ものに終始しているのが良かった。

上野樹里が123人の1人として主人公役で出ているのだが、かなり重要なシーンでの起用となっていた。韓国語演技できるのかなあと思っていたら、日本人に変化したという設定で、日本語演技だった…
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