私は後どれだけ"わたし"でいられるのだろう…
ニューヨーク、コロンビア大学で教鞭をとる50歳の言語学者アリスは、講義中に言葉が思い出せなくなったり、ジョギング中に自宅までの道が解らなくなるといった状態が続く。やがて若年性アルツハイマー症と診断されたアリスは、家族の介護もむなしく記憶や知識は日々薄れていく。そんなある日、アリスは記憶が薄れる前にあることを実行しようと考えるようになる…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
かなり重たい話だった。
大学で言語学者だったアリスにとっては記憶もそうなんだけど、今まで積み重ねて来た知識を失うこともショックだっただろうし、その知識を学生たちに教えられないことも辛かったんじゃないかな。
それに家族も、彼女のアルツハイマー症が遺伝性の物だと解ると、表面上は平静を装いながらも、アリスと距離を取るようになる。その事もアリスの心配事になっていく。
そんな時に1番頼りにならなければいけないのは、旦那だと思うんだけど、この旦那がダメなんだよな。
この旦那、当初は「僕が君を守る」とアリスに伝え、彼女のために1年間休養を取ると約束していたのに、自分の昇進が決まるや否や態度が変わる。
表立っては出さないものの、如何にもアリスの事を疎ましく思うようになる。
アリスが帰り道が解らなくなり、帰って来るのに2時間かかったときの第一声が
「心配した」ではなく、「何故、学部長の食事会を忘れたんだ」だったこと。
ホントこの言葉に愛は無いよね。
自分の妻の心配より、キャリアが大事って事だしね、
その後も終始、旦那はそんな感じで最後には、自分を優先させてたしね。
そんな事に薄々感じていたアリスは、自分の記憶が無くなる前に"あること"を密かに準備するんだけど、コレが泣けるんだよね。
そして、自分もアリスの様になったら、そうするかもって思ったしね。
でも、そんな状況になってもアリスは諦めない。現に、彼女は同じ症状で苦しむ患者の前で、
「自分は病に苦しんでいるのではなく、
戦っているんだ」って話す。
病気以前の自分には戻れないこと。
その辛さは想像を絶する、そしてその苦しみは自分にしか解らない
そう考えたら、泣けたなぁ…
そして、ラストシーンのアリスが答えた事は、一筋の明るい光だった…