みかんの丘のemiのネタバレレビュー・内容・結末

ジョージアとアブハジア間の紛争により戦線はすぐそこまで迫りつつあった。そんな中、村に残りみかん箱を作り続ける老人イヴォ。ひょんなことから2人の負傷兵を助け、自宅で看病することに。
1人はジョージア兵、もう1人はアブハジアを支援するチェチェン兵と敵同士であった。衝突を繰り返す彼らを繰り返し諌め、自宅で殺し合うことを禁止したイヴォ。彼等は奇妙な共同生活をすることになる。


相手に仲間を殺された敵同士、イヴォの言葉でやがて協力し合うようになるだけに、この結末は戦争の虚しさをより色濃く描き出す。イヴォとアハメドでニカの舞台を観に行ってほしかったよ…。

イヴォの孫娘については謎で、生きてはいるのかな。息子さんは亡くなってしまったようだけど、隣に敵兵であるニカを埋葬したのはイヴォにとって、やはり命は"同じ"だったからなのだろう。

私が文化的背景にもっと詳しければ、更にこの映画の深さが理解できたであろうことが悔やまれるけれど、静かで素朴ながらも素晴らしい一本だった。