あまのかぐや

ノック・ノックのあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

ノック・ノック(2015年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

これはヒドイ・・・!
  
以上!













・・・で終わらせたい。感想書くために思い出すのも胸糞悪すぎて。サスペンスというかホラーというジャンルな。
内臓や血糊ドバドバはないけど、人間の尊厳やアイデンティティ、キアヌが築き上げたキャリアやスターオーラみたいなものがドボドボ汚物のように零れ出してくる怪作。ここまで不快な、精神的にくるホラーは滅多に出会えない。

キアヌ・リーブス大好きというわけではなかったのだけど、これを観るといやでもキアヌ目線になってしまうし、キアヌ、いやキアヌ演じる主人公に同情しかわかない。

妻子の留守中、若いセクシーギャル2人に家に乗りこまれ、あれよあれよという間に誘惑に乗っかってしまった男の「自業自得っしょ」ドラマだと思ってた。

実際ざっくりしたあらすじはその通り間違いないのですが…。たしかに自業自得なのですが…。

その堕ちて行きザマが尋常ではなく理不尽。

最後まで必死で抗い、抵抗したキアヌは、良く頑張りました。ほんとに涙ぐましいほど頑張ったと思う。「据え膳食わぬわ、ぐふふぅ♡」って感情が少しでも見えたら、わたしも「自業自得じゃ!」とバッサリ断罪したかと思う。

しかし、こりゃないわ。
この嫌悪感はなんか覚えがある。「ファニーゲームUSA」とか、そういう感じか。やはり知らない人を簡単に家にいれたらダメだな。うん。性別老若は関係なし。人の世の情けはいったいどこへ…嘆かわしいことよの。

しかしほんとにいいお父さんだったのだよ。彼は。ヒーローじゃないし。ふつうに一般人レベルでドン臭いし(笑)

娘の制服やら下着を小道具にするとか、芸術家の妻の作品を冒涜する(文字通り容赦なく“汚す”)とか、妻の仕事相手の喘息のネブライザーをパクるわ、とにかく倫理的に嫌なところついてくる(わたし的には一番最初のヤツが一番ダメでした)(こどもをもつ親ならきっと一番抉られるところだと思います)

目の前で物理的にも心的にも大事なものが穢されていくの、ほんとたまらんわ。

一緒にお留守番してた真っ黒いわんこがキアヌの目の前でどうかなるシーンがないのが救い。とてもかわいかったよ、あの子。けどバカ女に連れていかれたよ。わんこがどうにかされたらイーライ・ロス許さん、と思った。

あとボールかぶせられて前髪ジャキンって切られたキアヌ。「ああああ、キアヌが、キアヌが…アンガールズに!」と思わず目を覆いましたが、次のシーンでは普通にキアヌで安心した。

いっそ「ひとおもいに殺せ」だよ。FBで動画流出からの「いいね」押してギャグに落としてくれたのだけが救いってどういうことよ。

妻と子供たちが帰ってきた後の惨劇の現場、その後は想像したくない。ミリ単位でも想像したくないわ。

この役、この設定、キアヌ・リーブスをキャスティングしたのが、ホント不思議だわ。受けたキアヌも不思議。

これって…実際、面白い映画なのかな。わたしの本音のところだとキライな映画。だってさ男女逆の設定なら、心から陰惨なレイプものでしょ。男だってレイプされる側になるでしょ。女の方の未成年であるとか、物理的に勃ってしまったんだから、とか関係なしにさ。
日本でもよく事件になりますが未成年が罪に問われないを承知でえんこーして、まんまと買った男だけがパクられてますけどねー。なんかそのモヤモヤに似てる。

グリーンインフェルノもだけど、エンターテイメントと割り切れないまま真顔で「やだわー」と言わせちゃうのが、イーライロスの術中にはまってしまってるのかもしれないね。

社会的に抹殺されてしまえ、という気持ちと、いやそこまで…と、かばいたくなる気持ちが半々で、不思議ともやもやな気分に陥る。かといって許されることではないし。
そんなもやもや嫌な気分から、二度と観たくないなーと思わせるんです、これは。

スコアはキアヌの寛大さとチャレンジ精神に加点
あまのかぐや

あまのかぐや