小

これが私の人生設計の小のレビュー・感想・評価

これが私の人生設計(2014年製作の映画)
3.9
イタリア映画。例によってノー勉で鑑賞し、見終わった直後、ポカーンだった。ヒロインの言動をきっかけに、状況が一変したけど、いかにも唐突感が。ヒロインとゲイの恋愛関係も、多くの人が共感するのかしら?と。面白いことは面白いけど、良くわからなかった。

これはきっと、自分が知らないことがあるのだろう、と思いググってみた。やっぱりね。キリスト教ローマ・カトリック教会の国イタリアって、男尊女卑が強く、女性の就職が困難。ゲイも恥ずべき大罪だから、カミングアウトはかなり勇気を伴うらしい。

このことを頭入れて思い返すと、ハテナがすべてつながった。ポカーンがナルホドになった。女性は妊娠したら会社をクビになるし、ゲイも、ばれるととても居づらくなる。重要な役職は、優秀な女性がいたとしても、無能な男だ。

主人公はイタリア出身で、国外各地で名声を手に入れた天才建築家。故郷が恋しくなって帰国したら、そんな彼女が職に就けない。女性はイイ男を見つけて従うのが一般的な価値観で、男性と肩を並べて働く存在ではないのだ。

生活のためにヒロインが始めたバイト先のレストランオーナーが、バツイチの超イケメン。何故かヒロインに優しくするイケメンオーナーだけど、実はゲイ。それでも恋愛感情を抱きながらルームメートとしてオーナー宅に居候するヒロイン。

そんなヒロインとゲイが男社会に一矢報いるのが、この作品の真骨頂。コメディでありながら、ナカナカの社会派ドラマ。

公営住宅のリフォーム案の公募に臨んだヒロインは、自分はアシスタントで、応募したのは男性と、とっさに偽る。男設定の天才建築家の案なので当然、採用され、ゲイのオーナーに男性建築家の身代わりを頼み、契約内容をつめていく。それで最後にガツーンと。ああ、今ならスッキリーなのになあ。

これね、イタリアでは、女性やゲイの方々を中心に抱腹絶倒、拍手喝さいだったのではなかろうか。2015年イタリア映画祭でのタイトルは『生きていてすみません!』だったけど、この方が圧倒的にイイじゃん! これなら事前にもっと調べて見たのに。
小