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レディ・プレイヤー1のneroのネタバレレビュー・内容・結末

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

原作小説(邦題『ゲームウォーズ』)が話題になったのがもう4年前。ざっと立ち読みしただけだが、とにかく日本のオタクカルチャーへの濃すぎるほどの愛情が行間から溢れ出す偏愛小説だった。確かにあの原作を映像化できるのはスピルバーグかデルトロくらいしかいないかもしれない。

で本作、結局はスピルバーグが自ら監督しただけあって、特濃ポップカルチャー青春アドベンチャームービーに仕上がっている。全年代向けのエンタメをよく分かっている彼だけに、ストーリー展開にも手を抜かず、お宝争奪戦としてのテンションを最後まで保ちつつ、ステージごとに趣向を変えて飽きさせない。
特にシャイニングパートはお見事。映画人らしく単なるモンタージュやパロディじゃなく世界ごと取り込んでいる。自身の作品はもちろん、バカルーや市民ケーン、2001といった古い映画オマージュも多く(ホラー系は弱いし、初回ではそのくらいしか分からんかった)、ただしそれが逆に原作のギークさを少々薄めてもいる。
 
大体が原作者の アーネスト・クラインって、スターウォーズファンのイレコミっぷりを愛に満ちて描いた快作「ファンボーイズ」(2008年)の脚本担当だ。SWファンとトレッキーの軋轢さえも愛情深く描いていて楽しい映画だった。
さらに、未見だが”アタリショック”を描いたドキュメンタリー映画「ATARI GAME OVER」にも協力しているという、筋金入りのオタ作家だもの(本映画でも最終ステージのキーデバイスはATARI2600だったね)、原作でのトバシっぷりは半端じゃない。ガンダム登場に話題が集中しているが、マグマ大使にマクロスやエヴァまで取り込んだ原作に比べると、むしろ映画での日本成分はかなり抑えてある印象だ。アイアン・ジャイアントもいいが、レオパルドンはどーしたとか、ウルトラマンは?ボルトロン(ゴライオン)は?ミネルバXは?とかね。マッハ号はチラッと映ったが、ビパップ号もソードフィッシュも確認できなかった(2回目で確認しました)。あのターレットレンズはもしやそーなのか?
ドクターフーやマーベルなど、映画でも出して欲しかったのは山程ある。エンドロールでのライツ表記の多さを見ても分かるが、権利関係でいろいろ難しい点も多いのだろう。それにそんなにモロモロ出してたらストーリーも進まんし尺だって何処まで伸びることか。とにかく、◯◯があのテーマで登場してくれたのは大満足。MvsGの対決シーンはパシリム2以上に興奮した!

ともあれ140分に詰め込まれた情報量は半端なく多い。まさにイースターエッグ満載の映画だ。画像に集中するためにも次は吹替版にしよう。後何回見に行くことになるか分からないが、2回や3回ですまないことだけは確実だ。コマ送り機能付きの映画館が欲しいぞぉっ!! 

<追記1>マーク・ライランスの化けっぷりにビックリだよ。あれこそバケモノ。

<追記2>ウルトラマン訴訟がやっとケリついたって?! まだ終わってなかったのか、出そうとしても無理なわけだ。

<追記3>マクロン=トランプ会談がニュースになっているが、マクロン大統領の顔を見ると、思い浮かぶのは戦国魔神ゴーショーグン。欧州でのタイトルが「MACRON1」つーんだよね。テーマソングが一度聴いたら忘れない超インパクト! ♪ママママーママ・マクロンワン マママ・マクロンワン♪つーの。仏大統領選の時一部で話題になってた。アメリカでも放映されたと思うが、幼いスティーブン少年は見ていたかな?(アメリカだとショーグンウォーリアで一括りか?) いや、なんか思い出しただけ。
無理筋とは百も承知だけど、巨大ロボの一体くらいは出して欲しかったよなあ。どっか隅っこにいるんじゃないか?

<追記4>なんで吹替版が3Dと4DXしかないんだよ!! メガネ掛けて画面の隅の方見ようと顔を動かすと画面がブレちゃうんだよっ!! 2Dでじっくり見せて欲しいぞお!
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