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キングスマン:ゴールデン・サークルのumisodachiのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

スタイリッシュな映像と音楽、英国紳士とスパイというスパイ映画好きの心をくすぐりまくる設定、スタイリッシュでありながら、お下劣&お下品な描写満載のくだらなさ、コリン・ファースやマーク・ストロングら素敵すぎるベテラン勢と、タロン・エガートンら新鋭たちが織り成す新鮮で魅力的な役者陣。

『キングスマン』は私にとって完璧すぎるエンタメ作品で、1作目を観たときはこれ以上ないほど興奮したのを覚えている。

そして、待ちに待った続編!物語の舞台をアメリカに移し、前作へのオマージュを全編に撒き散らして展開されるハチャメチャかつ胸躍る内容は、永遠に観ていたいほどの快感だった。

UKのスパイたちが【キングスマン】ならば、USのスパイたちは【ステイツマン】。キングスマンは紳士服店を隠れ蓑にしていたが、ステイツマンの副業(本業?)は、ケンタッキー州のバーボンウィスキーの蒸留所。

キングスマンメンバーはアーサー王伝説に基づいてランスロット、ガラハッドなど伝説の騎士の名前で呼ばれていたが、ステイツマンたちはテキーラ、ウィスキーなど酒の名前で呼ばれている。(このあたりのテキトーさ加減が最高)リーダーのシャンパンは元アル中で、酒を断った今でも酒を口に含んでは派手に吐き出すのを楽しんでいる(下品極まりない)。

バリッバリのブリティッシュイングリッシュを話すキングスマンたちに対し、ステイツマンのチャニング・テイタムがコッテコテの南部訛りだったり、ペドロ・パスカルの武器が投げ縄だったりと、アメリカっぽさが随所に。エルトン・ジョンが本人役で登場するなど、派手なおふざけも忘れない。

【以下ネタバレあり】

さて、ここからは諸々の要素をおさらいしてみる。

★ストーリー
→ぶっちゃけ破綻しているのだが、問題なし!そもそも、ポピーがなぜキングスマンを襲撃したのかもよく分からないし、色々と無理がありまくるのだが、細かいことは全く気にならない勢いがあるので。

★ギミック
→パワーアップ!特に、冒頭のカーチェイスではギミック愛大爆発。

★下品さ
→下ネタはパワーダウン。1作目ではR指定だったが、今回は子供もOK。ただ、グロは相変わらずで、ミスした部下をミンチにする、汚水まみれになるなど、オエッとなるシーンは定期的に出現する仕様。

★問題提起
→1作目ではSNS依存がテーマになっていたが、今回は麻薬。酒や煙草は良いのに、なぜ麻薬はダメなのか?という、素朴かつ答えの出ない問いを突き付けている。酒の力で堂々と莫大な資金を有しているステイツマンと、麻薬により莫大な資金を得たものの潜伏するしかないポピーとが対照的に提示され、ポピーを単なるヴィランで終わらせてはいない。ポピーのポリシーについて、一概に誤りとはいえない点は、1作目のヴァレンタインの主張と共通する部分。

★アクション
→1作目の教会のシーンほどインパクトのあるアクションシーンはないが、どのシーンもバラエティを持たせていて見どころは抜群。ただ、1作目の頭ボーン!に匹敵するぶっとびシーンはなし。ガンガン人が死んでいく不謹慎極まりないスピード感は、これぞ『キングスマン』!という感じ。

★音楽
→これはもう、なんといってもマーリン!マーリン最高!あと、エルトン・ジョンが予想以上に活躍していた。

★ゲス
→"Manners Maketh Man"と言いながら、卑怯な手も堂々と使うザ・ゲス!なキングスマンスタイルは相変わらず健在。今回は、「おお、これは後で前言撤回するフラグ!」と丸わかりの分かりやすいゲスシーンも用意されていて、満足度高。

★笑い
→とにかく終始笑いまくっていた。(少なくとも私は)

ああ、もう1度観たい!観に行っちゃおうかなあ。なお、1作目は絶対に観てから2作目を観ること!

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