このレビューはネタバレを含みます
一言でゆうと非常に怖い作品。それは驚くような怖いじゃなく、描かれる日常がリアルすぎて怖い。
結婚45周年記念パーティーの一週間前に届いた夫へのある知らせ、この知らせがのちに夫婦2人の関係に大きく関わるのだが・・・。
作風はいたって静か。夫婦がのどかな場所に住んでいることもあって余計なBGMは一切ない。言ってしまえば本当に日常を切り取っているような作り。なので最初は少し退屈かもしれない。けどそれがその後の展開に必要なラインと言うことを後半知るようになる。
それはまさに主人公を演じたCランプリングのリアリティある演技が肝になっている。
自然体な美貌で知られる彼女は今作では小綺麗なおばさん。でもそれが作品のリアルを違和感なくさせている。
何と言ってもパーティーが近づくにつれ、明らかに彼女の顔つきや態度が変わっていきます。最初はクスッと笑っていたのがもう後半には笑えないところまでいきます。
個人的には今年の主演女優賞の中でも上位に位置づけられる演技だと思う。
そしてそんな波乱もあり迎えたパーティー当日はなかなか見応えがあります。
ラストは近年でも印象深い名シーンだと感じます。
映画は派手なだけが大切じゃないということを改めて実感した作品です。
