様々な形式やルールに雁字搦めとなった日本という国を「生きづらい国」だと感じているそこの貴方、本作を鑑賞すれば「日本に生まれてよかった」とまではいわないがきっとこう思うはずだ、「リオ•デ•ジャネイロのスラム街で生きるよりはマシかぁ」と。
舞台は1960〜1980年代にかけてのリオ•デ•ジャネイロ、貧困街"シティ•オブ•ゴッド"で繰り広げられるストリート•チルドレンたちによる血で血を洗う抗争を描いた作品だが、そのあまりにも衝撃的な実態には度肝を抜かれる。え、マジで実話が基になってるのかっ‼︎⁉︎
強盗、殺戮、強姦と犯罪三昧のストリート•チルドレンたちの片手には当たり前のように拳銃が握られ、堅気として懸命に生きようとしても貧困と憎しみの連鎖を前に容赦なく暴力の世界へと引きずりこまれる。
そんなやるせないベトナムのスラム街の実態を記者志望の心優しい青年グスカ•ペ、退役軍人のマネ、極悪非道の悪のカリスマ リトル•ゼという全く異なる3人の視点から炙り出し、そこに 手ブレの激しい荒みの効いた映像やテンポの良い編集、そして実際に現地のスラム街で暮らしている素人たちのアドリブ演技を撮影するというこだわりの手法の数々によって桁違いの"生々しさ"を生み出している。
今なお解決の見通しが立たないギャング同士の抗争という社会問題をここまでパワフルに描いてしまうとは•••鑑賞後にはガツンとハンマーで頭を殴られたかのような衝撃が全身を突き抜けた！
私の知らない世界を様々な形で教えてくれる、やはり映画は素晴らしいものだなぁ〜と改めて感じさせてくれる作品だ。
