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彷徨える河の小のレビュー・感想・評価

彷徨える河(2015年製作の映画)
3.0
2015年のカンヌで監督週間最高賞を受賞したとのことだけど、良さがわからなかった。多分、自分の感受性が鈍いせいだろう。何度かウトウトとしたことも大きいと思うけど。

20世紀初頭と中盤に2人の実在した白人探検家の日記をもとに、部族最後の生き残りである呪術者カラマカテを通して、アマゾン先住民の知恵や文化を感じる物語。

アマゾンの大自然の風景が観どころだけど、「緑の深さ、先住民の心のうちを、見る人の想像力でより強く感じてもらうため」(毎日新聞のシーロ・ゲーラ監督インタビュー)というモノクロ映像に、想像力の乏しい自分が恨めしい。

内容について、「なんだかよくわからないなあ」と思ったけれど、仕方ないのかも。こちらのサイト(http://hotakasugi-jp.com/2016/10/25/movie-interview-ciro-guerra-el-abrazo-de-la-serpiente/)で、監督が次のように語っているから。

<そうして時分(原文ママ)のリサーチを振り返ってみると、歴史的視点や人類学的観点から語られた彼らのイメージは、当事者の彼らにとってはむしろ想像や夢同様のフィクションのようなものだと気づきました。なのでこの映画をアマゾンの神話に染めあげ、一般的なストーリーテリングではなく、インディアンのお伽話のようにしようと思いました。観客にとって理解しづらいものになるだろうと覚悟していましたが、この映画を(先住民と近代文明側の人間の)架け橋にしようと思ったのです。>

監督によれば、アマゾン先住民の知恵は、<今日の私たちが抱えている多くの疑問に答えを与えてくれるものだ。自然を破壊せず最大限にその資源を活用するという人間と自然との共存だけではなく、人間同士の共存という問題にも答えを与えてくれる>もので、それこそが<現在の政治や社会のシステムからは得られない幸福に辿り着く道>らしい(オフィシャル・インタビューより引用)。

そんな大きなことを秘めているとはつゆしらず、ぼんやり観てしまった自分。観終わった後、先住民の知恵に思いが至らないのはもちろんのこと、好奇心も刺激されなかった自分。なので、もし、この作品を観る際には、十分睡眠をとった仕事のない日に、集中力を途切れさせないように頑張るよう、再び観ようと思ったときために書き残しておくことにする。
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