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裸足の季節の小のレビュー・感想・評価

裸足の季節(2015年製作の映画)
3.8
<現代のトルコにおいて、女性であるとはどういうことなのか>(映画公式HPの監督インタビュー、以下引用は同じ)を考える映画。

女性監督の経験に基づく冒頭の海からの一連のシーン。美人の5人姉妹を含む若者たちが溌剌と躍動しているように思うのだけれど、トルコでは<女性もしくは少女の行動のすべてが、性的な衝動に駆られているかのように解釈される>らしい。

また<女性を家事にだけ従事させて子供を生産する機械に貶めるという社会的思考も現れています>とのことで、それを示すようなシーンもある。トルコは女性をとても抑圧している国、と思う。

原題は『Mustang』(野生の馬)。5人姉妹はパワフルで、時に激しく抗議し、軟禁状態におかれても、エネルギーのはけ口を求め、疾走する。長い髪はたてがみをイメージしているとか。

しかし、トルコの“社会的思考”や心ない大人によって、一人、また一人と欠けていく姉妹。最後の一人となった一番年下の妹に、監督の願いが込められる。

トルコにおける女性の解放を表現するこの作品。姉妹の下着姿も結構出てきたりもするから、トルコでは衝撃的だったのではないかと思うけど、どうだろう。

監督は出演した少女たちについて、<トルコにおいて保守が優勢ですがそのような状況下でも、彼女たちは絶対的な自信を持っています>と言っている。若い女性たちは、“社会的思考”をいなしながら、強かに生きているのかもしれない。
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