Jaya

アダムズ・アップルのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

アダムズ・アップル(2005年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ネオナチアダムがイカれた牧師イヴァンの元で更生するお話。ヨブ記をモチーフだそうですが、あくまでモチーフで、無理に色々と結びつける必要はなさそう。

相当なブラックジョーク。普通に笑えたのは、カリドが躊躇なく銃を撃ちまくるところだけでした。堅苦しくもなく能天気でもない、不思議な雰囲気。

演技は皆素晴らしかったですが、中でもアダムが光っていたよう。彼の演技一つで、作品が全て台無しになるような重要な位置だった気が。

これでもかというほど不幸過ぎて流石に笑えないイヴァンの過去。ブチギレ盲信者ぶりもなるほど分かるかもしれない。救いとしての信仰を先鋭化させまくったらこうなるのかな。

社会問題のオンパレードのような教会で信仰では何一つ解決されないことが示されていくさまは痛快といえば痛快。特にサラが子を産む産まないの説法は悪趣味なほど強烈な皮肉でした。

脳腫瘍が吹っ飛んで助かる奇跡のラストでは、無茶だと思う暇もない畳み掛け。神の存在を思わせるような演出の数々も効いていました。

猛烈に悪趣味ではありますが、イヴァンの独特の雰囲気に覆われ、ブラックコメディ以上のものを感じさせてくれた名作でした。
Jaya

Jaya