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無法松故郷に帰る
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『無法松故郷に帰る』に投稿された感想・評価

1971年当時、政府見解では「存在しない」とされていた未帰還日本兵を今村昌平監督がタイで探し出し、日本に招いて取材したドキュメンタリー。「ゆきゆきて神軍」(1987)と並べて語られる一本。撮影は名カメラマン姫田真佐久。東京12チャンネルで放映
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※本作の実質的な前編 
■「未帰還兵を追って タイ篇」※Filmarks未登録
(1971:49分:今村昌平監督)
戦後26年目。タイに暮らす3人の未帰還兵を現地で集めて語り合ってもらう。祖国日本と戦争について三者三様の声が交わる中、負傷により現地に取り残された藤田松吉さん(1919年生:当時52歳)は、今も「天皇陛下と大和魂」を誇りにしていた。長崎の不良少年だった彼は武勇伝を語る。「シンガポールで中国人の子供を一人残らず殺した」「コンクリートのビルに大勢を閉じ込めガソリンで焼き殺した。全部で3万6千人くらい」「怠け者の日本兵を三人殺して埋めた」「今も天皇陛下様に賛成。広かった日本を取り戻したい」。対して、大阪出身の未帰還兵・利田さんは「天皇は神様じゃない。二十代を兵役で奪われた」「九州師団はゴロツキ、ヤクザの集まりだった」と反論する。。。

戦時中からタイムスリップしてきたような藤田さんの言動が興味深い。当時の日本兵を目の当たりにしているような思いがした。チェンマイの田舎で農業を営む藤田さんに対し、バンコク近郊で医師(無免許)をしている利田さんのスタンスは「日本鬼子」(2001)で自らを反省する帰還兵たちと近い。同作と同じく“古参兵による民間女性強姦”も証言されていた。日本の反戦映画に登場する“非人道的な古参兵”はいかにもステレオタイプと思っていたが、戦争ドキュメンタリーを観るうちに実際の姿を再現したものだと解ってきた。

※学徒出陣(1943)が実施されるまでは、徴兵対象となる20歳以上の男性のうち旧制の大学・高等学校の生徒は26歳まで徴兵免除された。つまり教養を重ねた者の多くは、それまで出兵していなかった。

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■「無法松故郷に帰る」(1973)
今村監督はタイ取材で出会った未帰還兵の藤田松吉さんを33年ぶりの一時帰国へと招いた。故郷・長崎市で妹と涙の再会。そして兄で金貸し業者の藤男さんとも再会するが雲行きが怪しい。「大和魂とか何だ?」と兄から説教を受けた松吉さんは、役場で自身の死亡届が訂正されていない事を知る。タイで生きている事は4年前に兄に連絡していたのに。「オレを早く殺したかったんだろ。外に出て来い!」。兄に怒りをぶつけた松吉さんは、最後に訪れた皇居の前で意外なことを口走りはじめる。。。

ドキュメンタリー作品として凄かった。“無法松”こと松吉さんが抱える祖国日本へのアンビバレンツな思いが、始終不安定な緊張感をもたらしていた。敬っていたかつての上官との電話に感極まりながら「もう一度支那人の首をとってみたいんです」と訴え、しかし最後に皇居の前では「親を捨て天皇陛下を親と思って(戦いに)行ったんだ」「それがこんな悠々とした宮城なんかに入りやがって」と口走る。今村監督は未帰還兵や海外移民団、アジアに売春婦として売られた“からゆきさん”、あらゆる公害の犠牲者たちを、日本はまるで老廃物のように棄て去っていくと糾弾する。

自己責任という言葉が放置を呼ぶ現在、日本にいながらにして”棄民”にされる人々は増え続けているのではないか。

※本作と同年、グアム島から残留日本兵、横井庄一さんが帰国し大きく報道された。そして翌1974年にはフィリピンから、同じく小野田寛郎さんが帰国した。
mingo
3.3
シネマヴェーラドキュメンタリー祭りにて。テレビ用ドキュメンタリー作品。

無法松めっちゃ故郷に帰ってた。
めっちゃ眠いな〜て思って、横見たらゴズリングめっちゃ眠そうになってたの覚えてる…笑

浦島太郎状態の無法松…兄に喧嘩を吹っかける無法松…彼の戸惑いがまさに観るものを戸惑わせる。人間の二面性をまざまざと魅せられる今村節全開のドキュメンタリー作品。
2024/11/30
2作目は、DVD紛失したので中古で購入して鑑賞。「未帰還兵を追って:タイ篇」から本作を観ると日本は、金の亡者とかしてしまったと嘆く無法松が痛々しい。戦前の人間が日本でなくアジアに居残った日本兵にあるというところが新鮮だ。
2021/10/9
これDVDで見ましたね。「ゆきゆきて神軍」の起点になるような今村昌平の人間観察ドキュメントでしたね。こういうのを撮る今村昌平って人としてどうかしてる。

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