あの無軌道な若者達が帰ってきた。まさか二十年越しに続編が作られるとは思わなかった。ユアン・マクレガーを始めとする前作のメンバーがそのまま集結しているのが嬉しい限り。作中でもきっちり二十年経過しているだけあって同窓会のような趣がある。映像・音楽のスタイリッシュなセンスも相変わらず冴えていてカッコいいし、ここぞという場面で流れるイギー・ポップなんかはやっぱりブチ上がる。
前作は『未来の展望がないヤク中の若者』の姿を描きつつも再起と脱却の可能性を伺わせる爽快なラストで締めていた。しかし本作は『未来の展望がないまま老け込んだかつての若者達』を描いていて、尚且つ『閉塞から抜け出そうと足掻いたところで社会に適合すること自体が困難』という惨すぎる現実を突きつけてくる。結局ドン底から抜け出せなかったかつての若者達が青春を反復するように再び集う……そこにはある種前作よりも悲惨で残酷なものがある。続編なだけあって登場人物達への感情移入度も尚更に高くなってしまう。そんなどうしようもない虚しさを前作と同じくハイテンポな演出で描いていることにやはり引き込まれる。
編集のセンスは相変わらず素晴らしいとはいえ、ヤク要素は鳴りを潜めたので前作ほど強烈な映像は見られなかったのが惜しい。また前作より尺が伸びてストーリー性も増したけど、そのぶん場面切り替えの唐突感もより目立ってる印象。でも前作を踏まえた上で描かれた『その後』の哀愁はグッと来るし、二十年もの歳月を経て殆ど鮮度を落とさず続編を作り上げたのも素晴らしい。
