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哭声 コクソンの小のレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
4.4
國村隼さんの怪演、凄すぎでしょ!のサスペンススリラー。韓国の映画賞で男優助演賞を受賞したというのは納得すぎ。もし観るなら、大画面が吉。

得体の知れない「よそ者」の日本人がある日、平和な村にやってくる。それ以来、村人が自身の家族を虐殺する事件が多発するようになる。犯人に共通するのは、湿疹でただれた肌に、濁った目、言葉を発することができない状態。

事件を担当する主人公の警官は、自分の娘にも同じような湿疹があることに気付く。娘を救うため祈祷師に頼るものの、かえって逆効果?みたいな状態に…。意を決し、自らよそ者退治に出向き、追い詰めたが…。

娘の異変に気づくまでは、ほんわかムードでコメディ要素の混じったホラー映画っぽいのだけれど、それだけに異変に気づいた後の緊張感がただ事ではない。謎の女性も登場し、先の読めない状況に疑心暗鬼が止まらない。

観る者に解釈お任せなラストだけど、怖いというよりはヤバいと感じる圧倒的なインパクトを前に、解釈なんかもう、どうでも良い感じ。

國村さんって、日本映画では渋い強面役というイメージだったけれど、この演技には「うわっ、すげー」とか思いながら、ただただ見入ってしまった。

期せずして2017年3月公開となった韓国映画『お嬢さん』『アシュラ』『哭声 コクソン』の三本。『アシュラ』は寝落ちのため近々再見予定だけど、いずれも傑作感満点。とにかく自由で、尖っている。日本でこういう映画、作れないのかしら?
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