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新感染 ファイナル・エクスプレスのneroのレビュー・感想・評価

4.0
とにかく大量のゾンビが走る走る跳ねる跳ねる。ゾンビ雪崩は出演者が心配になるほど。まさに人海戦術ならぬゾン海戦術じゃあ~! 
ソウル発釜山行きのKTX車内で謎のゾンビパンデミック! 「スノーピアサー」を思わせる疾走感が気持ちいい。超特急内という閉鎖空間ドラマにもかかわらず、ストーリーをドライブするキャラクター達が、子どもや女性たちも含め全員性格豊かで飽きさせない。ハセヒロ似のパパに筋肉男、クズ親父に野球少年とかみんな最高だよ。

異論はあろうが、途中で1回下車するシチュエーションは余計な気がするねえ。テンポ止まってしまう。人数減らすのと分断するのに必要だったのは解るが、駅もまた絶望の場所だったってのは降りなくてもいい気がするんよ。クズ男が余計なことして事態を悪化させるのはお約束で、助けてくれるはずの軍隊ゾンビが大群で減速した列車の屋根食いちぎってなだれ込んでくるとかさ。
止まれない恐怖と車内を侵略する恐怖がエスカレートする中で、どんどん本性がバラされるっていう方が韓国映画っぽくない? だから後半の展開などは大絶賛しちゃう!

ラストは伏線までちゃんと回収して意外にほっこりエンディング。正直、銃声2発で終わりかと思ったんだよね。臨月のお腹に子供の手が力なく...で暗転 とかってのはさすがにやりすぎかなあ? 別に偏見あるわけじゃないんだが、韓国映画にはなんか”容赦ない”って印象が強いんだよね。

何も解決してはいないし、ヨゴレ男も謎のままなんだが、前日譚だという『ソウル・ステーション/パンデミック』の公開を待つしかないのだろうか。
タイトルロールの出るタイミングを見ても、世評の通り、こんな駄洒落タイトルじゃなく原題通り「釜山行」の漢字表記で良かったと思うねえ。
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