小

スプリットの小のネタバレレビュー・内容・結末

スプリット(2017年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

はじめからネタバレ全開です。これからご覧になる方は、この先は読まない方がよろしいかと。

***************************************************************************************************************************************************************


2001年公開の『アンブレイカブル』と2019年公開予定の『グラス』のつなぎ的役割の作品。『アンブレイカブル』からシリーズ化するかもしれないシャマランコミック的スーパーヒーロー映画の一作品として観れば、それなりに面白さを感じなくもない。

しかし、そうした面白さを感じることのできる人は、『アンブレイカブル』が大好きで何度も観たとか、シャマラン監督大好きというような人に限られるような気がする。

本作単独で見れば、自分はノレなかった。本作を観る前に『アンブレイカブル』を観てしまったものの、以下から『アンブレイカブル』について全く知らない前提で感想を書いてみる。

女子高生3人が見知らぬ男に拉致・監禁される。その男は23人格で、もう1人が目覚めることを待っている。この設定にワクワクしないわけにいかない。とはいえ、DID(解離性同一性障害)ネタはいざとなるとなんでもアリなので少々懸念していたけれど、オチはそういう懸念はどうでも良くなる、ポカーンなぶっ飛び方だったかな。

個人的な興味は23人格がこの犯罪行為に対してどのように反応するかだけれど、登場してくるメインの人格は片手の範囲だったと思うし、ちょい役であっても23人格が全員登場したのか定かではない。そもそも23人も人格が必要だったのか、とても疑問。

一方で、まともそうな男や女、子供も登場してくるけど、彼らが逃亡に手を貸すとかの盛り上げ要素がないから、命の危険に怯える緊張感が持続しない。サイコなスリラーとして中途半端な感じで、正直、あまりドキドキハラハラしない。

鋼鉄の肉体、スーパーパワーを持つ24人格目が登場するに至っては、もはや女子高生の拉致とか、ほとんど関係ないじゃない。女子高生の役割は下着姿を披露するためだったとしか思えない。そもそも何故、服を脱がせたか疑問だし。

で、幼児期の虐待によってDIDになった男は、虐待の傷跡の残る女子高生だけ助ける。警察に保護された後、叔父さん(女子高生を虐待していた人)を呼ぶと言われた彼女に、これから先、何かありそうな雰囲気を漂わすけれど、ブルース・ウィリスがいきなり出てきて、何か言ってるなと思ったら終了。

エンドロール後に、この作品が『アンブレイカブル』という作品と関係があり、今後『グラス』という続編が公開予定であるというネタバレ、宣伝が出てくるけれど、わざわざ説明してオチをつけなければ、なんのことかわからない、話が適当で、飛躍し過ぎなB級映画ではないかと。

まあただ、これがシリーズ映画の一作品だったというオチは、これまであったかどうかわからないけれど、自分的には初めてで、そういうのもアリかな、と。だったら、前作も、次回作も観てから文句を言うかどうか決めようじゃないかと。商売上手ですね、シャマラン監督。

●物語(2.0点×50%=1.0)
・つかみはオッケーな設定はヨシ。しかし内容は…。

●演技、演出(3.0点×30%=0.9)
・ジェームズ・マカボイ、頑張ってはいるけれど、物凄くよかったという感じはしないかな。

●映像、音、音楽(2.0点×20%=0.4)
・恐怖、緊張をあおる響く重低音と内容との温度差が…。

●お好み加減点(+1.0)
・3部作として観てちょうだい的なズルいけれど斬新なオチをとりあえず評価。
小