小

君の名前で僕を呼んでの小のレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.8
17歳のエリオが24歳のオリヴァーに初めて恋をする様子を1980年代の北イタリアの避暑地を舞台にとても美しく描いた映画。

ちょっと粗暴なオリヴァーにはじめのうちは引いていたエリオだったけれど、一緒に泳いだり、自転車で街を散策したり、本を読んだり音楽を聴いたりして過ごすうちにオリヴァーから目が離せなくなっていき…って、これ男性同士の恋物語にする必要があったのかな?

キリスト教ローマ・カトリック教会の総本山で、男尊女卑強め、ゲイは恥ずべき大罪のイタリアで、男性同士が恋に落ちることが大ごとであることは知っている。でもそのことを実感しているわけではないし、同じテーマの恋物語も何本か観ているという自分には、初恋の懊悩は感じても、禁断の恋の苦悩がイマイチ伝わってこなかった。

なので、ひと夏の初恋の物語として受け止めて観ていたから、ラストの方になって禁断の恋であったことが極めてはっきりするのだけれど、そんなことで悩んでましたっけ?という感じに。

言わんとすることは社会の常識や価値観に囚われず、自分の良いと思う生を謳歌すべきだみたいなことだと思う。でも囚われている感じがしないし、従ってそのために恋が激しく燃え上がったという感じもなく、初恋の情動だけが伝わってきた気がするのだけれど、何か見落としているのかしら。

本作は原作をすべて描いているわけではないらしく、続きもある雰囲気なので、次回作を観たら印象が変わるのかも。

●物語(50%×3.5):1.75
・初恋の物語としては良いのかな。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・主人公の俳優さんが繊細な役にイイ感じにハマっているのではないかと。ロケ地の景色も良し。

●画、音、音楽(20%×4.0):0.80
・鑑賞直後のメモには音楽も良い、と書いてあったけれど、何が良いのかよく思い出せないという。具体的に記録しておくことって大事。
小