ベトナム帰りの黒人達がアメリカ南部のKKKをやっつける強烈なタイトルのブラックムービー（ブラックスプロイテーション）。おそらく今年日本でも公開した「KKKをぶっ飛ばせ！」の元ネタであり、タラちゃん（タランティーノ監督）も自分が主催した映画祭で上映した作品だとか。

同胞の女性が襲われそれをスイッチにしてドンパチが始まるわけではなく、まず案外理知的な行動から始める所が立派ではあるものの作品としてはちょっと退屈か。ベトナム仕込みのトラップも用意したドンパチは結局終盤の数分に留まっておりそれも特に苦戦することなく圧勝するのでカタルシス不足は否めませんが、シリアスにならず最初と最後はファンキーなBGMで始まり締めるのでそのテーマと雰囲気を楽しむ作品と割り切った方が良いかもしれません。

エンドロールに登場するKKKの看板は当時実在したそうで時代を感じさせます。

カナザワ映画祭にて。酷い邦題ではあるが意外にも作りはまじめ。


ベトナム帰りの黒人3人組が地元のＫＫＫ団と対決するのだが理由がリアル。

ＫＫＫ団の白人に知人女性がレイプされる。保安官ぐるみで隠蔽され事件はなかったことに。裁判で勝つために黒人の権利を認める判事を出すために黒人の有権者登録を増やすしかない。3人は地元で呼びかけ、大量の黒人が有権者登録し始める。街が乗っ取られると危機感をもったＫＫＫ団が3人を殺害しようとする。


黒人の公民権運動の苦闘は『グローリー』を観ていたので本作の背景もよく理解できた。本作はもちろん黒人向け娯楽作なので、そこまで真面目にやらないけども。


何より爽快なのがＫＫＫ団との対決。3人で全く苦戦せず圧勝！皆殺し！これですよ娯楽作って！黒人復讐ものの傑作『ジャンゴ』で不満だったのがクライマックスでジャンゴがかなり苦戦する所。本作みたくさっくり圧勝して欲しかった。


ここまで娯楽作な作りをしておきながらED曲とラストカット（実際のＫＫＫ団の募集広告）で現実に引き戻す感じはいい。OPとED曲のタイトル知ってる人がいたら教えて欲しい。

それにしてもひどい邦題だな。

内容はベトナム帰還兵の黒人らがベトナム仕込みの殺法を駆使してKKK団とドンパチするという、どうしたって面白くなる筋書き。アメリカの針葉樹林帯で撮っているっぽいベトナムのシーンはどう見てもベトナムには見えないが笑。

ソウルフルな主題歌はサイコー。