真っ黒こげ太郎

キャット・シック・ブルースの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.4
九つの魂を求めて動き出す…。

だけど殺っぱり猫が好き。

履かせるオムツ♪ムーニーMAAAAAAAAAAAAAAAAAA(ry




黒猫のマスクを被り人々を襲う謎の殺人鬼。
彼はフレディの様なカギ爪手袋と、馬鹿みたいにデカいペ○スバンドを身に着けながら、あの手この手で殺戮を繰り広げ犠牲者の血を回収していたのだ。

一方、愛猫の動画でバズっていたが変態ファンに猫を殺され、自身も暴行された挙句その様子をネットに拡散されてしまい踏んだり蹴ったりなクレアはペットロスのセラピーへ通う。

その中で同じく猫を失ったという男、テッドと知り合う。
猫を失った共通点で意気投合し肉体関係に至るが、実はテッドがその殺人鬼の正体で、死んだ愛猫を生き返らせる為に九つの命を集めていたのだ…。




愛猫を亡くして精神を病んだ青年が猫を生き返らせる為に殺戮を繰り広げる、スラッシャー・ホラー。

本作はリリース前にグロゴア映画のオールナイト上映会で上映されたみたいで(まぁ田舎民の自分には無縁なイベントだが…)、実際予告編でもいい感じにグロい場面が展開されてるみたい。
オマケに珍妙な猫男がデケェチ○コを出してはしゃいでいる!!!なんだこれは!?
って事で真相を確かみる為にレンタル。w



って事で毎度の如くスプラッター目当てに鑑賞したのだが、これまた珍妙で強烈な一作だった。
内容としては結構な悲哀の物語だと思うのだが、シュールでヘンテコな絵面がこれでもかと展開され、笑えばいいのか泣きゃ良いのか分からぬ独特の世界観を描いている。


本作は「愛猫を失った殺人鬼が猫を生き返らせる為に殺戮を繰り広げ、その最中に同じく愛猫を失ったヒロインと出会う」という物。

「生き返らせる為に殺しまくるぞー!」なスラッシャーは本作に限った事じゃないし、境遇の似ている男女が恋人になるも片方は殺人鬼で…というのもまぁようある話だが、本作はペットロスの悲哀を兎に角悲痛に描きまくる。


そもそも本作は初っ端から可愛らしい猫がかなり惨たらしく殺されてしまう。
まぁ映画である以上撮影用の人形なのは分かってるし、ペットが死ぬホラー映画でも「スリザー」や「ヒルズ・ハブ・アイズ」みたいな良作はあるが、今回は殺され方が余りにも生々しく、そして胸糞悪い。
動物が死ぬ映画に慣れている自分でもかなり嫌な気分になったので、映画の中での動物虐待が駄目な人にはお勧めできないだろう。

更にその後ヒロインは猫を殺した相手にレイプされ、その様子を動画撮影され流出してしまうという胸糞展開。
その後セラピーに通い似た境遇の人と恋仲になるが、彼は猫を生き返らせる為に殺戮を繰り広げる殺人鬼だったという…どんだけ不幸攻めにすりゃ気が済むんだと言いたくなるような酷い目に遭う。
そして挙句の果てに、正気を保てなくなりヤバい悪夢や幻覚に追い詰められる。
製作陣、人の心とかないんか?

一方、殺人鬼側も愛猫を失った行き場のない悲しみをしっかり描いており、正気を失い、精神状態がヤバい事になってしまった様をちゃんと描いている。
猫男の一見変態的でネタにしか見えない姿も、最終的には単なるイカレた変態殺人鬼に留まってない悲しき理由が明かされる。
(まぁそれでも、後述のナニや挙動の所為でイカレ変態殺人鬼である事には変わりないが。w)

最終的には誰も救われない、物悲しく切ない結末を迎える。
現実に打ちのめされる登場人物、SNS時代故に起こるリアルな悲劇、そして愛するペットを失った行き場のない悲しみと怒りを、これでもかと容赦なく描ききっており、鑑賞後は胸の中に寂しさと虚しさが通り抜けていった。


…しかし、それと共にかなりシュールで変態チックな描写も満載で、ツッコミ待ちにも程がある変なシーンも盛り沢山!!!

殺人鬼のテッドが猫の真似をして猫のマスクとカギ爪で殺戮を繰り広げる経緯は本編で分かるのだが、イカレてる所為か挙動不審でやたら動きもキモイ。w
しかも股間にやたらデカくて棘の生えたペ○スバンドを装備!!!
常にチ○コをブルブル揺さぶるわ、挙句口内に無理やり突き刺して殺害するわで、やりたい放題!!!
しかも美しいBGMをバックにやたら大げさにスローモーションを駆使して豪快に舞いまくるので、余計にチ○コが目立つ!!!
変態だー!!!www

セラピーで猫を失ったアレコレを語る際の意味☆不明なイメージシーンも必見だ。w

更にクライマックスでは何とも無茶苦茶な展開になるのだが、そのオチもかなりズッコケ!!!思わず「○○○かい!!!」と突っ込んでしまった。
しかもその後の展開がまた悲壮な奴なので、ますます複雑な心境になってしまった。w



という事で、悲壮感だけでなく、シュルレアリスムやおバカ変態シーンも盛り込まれ、切なくもヘンテコな風が突き抜けて行った本作。
かなり胸糞な場面や悲惨な展開はあるし、ただシリアスな殺人鬼モノで終わらせない独自のシュールな作風はかなり人を選ぶので万人には勧められんが、かなり個性爆発しまくった映画には違いないので、グロや胸糞描写に耐性のある方や変わり物な映画が好きな人は是非。


…あ、モチロン喉裂きや首チョンパ、顔面潰しや口内貫通と言ったグロゴア描写も振るってるからそういうのが好きな人は安心してね!!!w
(何処が安心なんだよ)