すがり

インナー・ワーキングのすがりのネタバレレビュー・内容・結末

インナー・ワーキング(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

モアナのBDでおまけとして観ていたのを思い出したので。

基本的には脳と心臓のやり取りがメインだったように思います。
楽しみたい心臓と大小あらゆるリスクを死に直結してそれを回避しようとする脳。
まずこの掛け合いが結構面白い。
そしてそれが人生の意義みたいな部分に関わってきていて、思考と意思の激突というのか。
ほとんど直接的な教訓、絵本みたいなね。

ただそこでちょっと思うのはこのポールってやつは何なんだろうなって。
人間ってのは言うまでもなく内臓で生命活動していて、それは良いんですが、今作の描き方だとポールと脳と心臓という三者が見えるような気がするんですね。
脳も心臓もポールという存在とは切り離されているように見えて、仮にそうした時にじゃあポールはどうしたいんだと。
お前自身はどうしたいんだと。

毎日のしみったれた仕事の描写で心臓がポールと寄り添っている風でもありますし、英語では心臓も感情としての心もハートですから、ポールもそこで一つなのかなと思えなくもないですが、私としてはそこを一緒にはあんまりしたくなくて。

身体を開いて全部解れば良いんですけどね。
脳に操られるだけでも、心臓に操られるだけでもない、そういう自分で生きていきたい。
すがり

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