あまのかぐや

犯人は生首に訊けのあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

犯人は生首に訊け(2015年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

平昌オリンピック盛り上がってますね!
冬の韓国、辛いモノ・あつあつの鍋など韓国料理も美味しいものがたくさん。
今夜は韓国料理で、日本選手団の頑張りを応援しましょう。気分は「韓国映画の夕べ」。

という気分のときにこの映画ですか(笑)

原題は「解氷」。
趣きあるこのタイトルよか、邦題のほうがインパクトはあるけど。えげつない気がする。やりすぎな感じがする。


主人公の内科医は妻と別居してひとり暮らし。精肉食堂の上の一室を借りて住んでいる。ふとしたことから、15年もの間犯人が捕まらない首なし殺人事件の犯人はこの肉屋ではないかと疑い始める。肉屋の冷凍庫の黒い袋に入っている、あれはいったい…。だって袋の大きさといい、袋の口から毛髪が覗いていることといい…。不穏な妄想に取りつかれた医師はしだいに常軌を逸していく。

以下、けっこうえぐい感想を書いてますので、苦手な方はここまでにしてとじてください。











雰囲気は悪くないです。
なにより予告篇がとても怖い。予告がすべてといっても過言ではありません。

実際、夫は予告だけみて「この先もおいしく焼肉食べたいので僕はこれみません」ときっぱり(笑)

予告の盛り上げは絶妙ですな。
「頭以外が見つからない連続殺人事件」 → 「精肉店」 → 「黒いビニール袋」 → 「生肉」 →  察し

不穏な雰囲気は、いやが応にも盛り上げる。この予告だけで、最後の「察し」まで行ってしまう人には、この作品はやや拍子抜けかもしれません。
期待(?)するほど食欲は落ちませんからご安心を。

主人公の内科医師は「お嬢さん」でおじさんを演じていたチョ・ジヌン。
精肉店親子の息子役のほうが、ちょっと濱田岳っぽい感じで、とても良い。こわい。

サスペンスの脚本としては面白いと思いますが、画面暗いし、途中眠いし、ドキリのシーンも、主人公の悪夢(夢おち)という展開に何度もおとされると、「はいはいはいはい」とだんだん怒りがわいてくる。

ただ、のこり30分ぐらいで、観てる側も主人公も夢うつつだったシーンの数々を、別の視点で暴いていて、ここからは、やや面白かった。このように書くと勘が良い人にはわかってしまいそうだけどね。

そしてエンドロールで、もう一つ用意されている「ゾッ」がうまい。と膝を打ちました。これは精肉店親子の得体の知れなさを醸し出す演技力に負うところが大きいかも。それ以前に、この親子と血塗れの肉切り包丁の組み合わせをみたら、いやでも想像してしまいますがな。この親子というより、各方面の想像力、妄想力の勝利。

いろんな伏線のうち、放り出されっぱなしのものもあるし。
精肉屋のおくさんや、主人公の勤務先のナースなど危なげな雰囲気だけは抜群(あー、食べられるのかなー)と、最後までハラハラさせられます。

でもなぁ、やはり、雰囲気勝ち。いや負け。静かで不穏で、みてる側の想像力頼りでひっぱる展開とはいえ、も少し場面に緩急がないとね。

そして何より、韓国バイオレンスとしての怖さが足りない。血や肉塊なんか見せなくても、怖い映画はたくさんあります。「そうじゃないでしょ」「これじゃ足りないでしょ」

…と、わたしいろいろ麻痺してますね。
あまのかぐや

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