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春の夢のTAMUのレビュー・感想・評価

春の夢(2016年製作の映画)
3.7
全編モノクロで描く、ソウルの下町に静かに暮らすマイノリティが見た春の夢。

大した稼ぎもないチンピラ(ヤン・イクチュン)、てんかんを抱えている心優しいボンボン、給料を支払ってもらえない脱北者、不遇ながらも仲良し3人組。そんな3人のマドンナ(ハン・イェリ)は病気の父を抱え、小さな居酒屋の切り盛りをする。

この4人が冴えない生活を送りながらも、ひたむきに支え合う姿がいじらしい。モノクロなだけに垢抜けない下町のどこか懐かしい雰囲気もよく出てる。

自分も振り返ってみると、彼ら同様こんなはずじゃなかったのに、と思うような人生ではありますが、『バカなこと考えないで、ありのまま生きよう』と、映画に励まされた次第。

ところで本作、『慶州』などを手掛けた中国人監督チャン・リュウが、『息もできない』で主演、監督を務めたヤン・イクチュン。『群盗』の監督ユン・ジョンビン等監督3人を実名で主演に配した誰得作品(笑)

個人的にはヤン・イクチュンが『息もできない』のあの歩き方そのままに登場して胸熱でしたw

そしてハン・イェリ。デリカシーの無い3人をあしらいながらも、慕っている感じは天使。時折見せる強い眼差しが記憶に残る映画向きの女優さんですね♪
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