おさるのじょじへい

2重螺旋の恋人のおさるのじょじへいのネタバレレビュー・内容・結末

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

一度目の鑑賞では混乱したまま終わってしまいましたが、
二度目を見た時に、様々な点に納得できました。

クロエの多くの妄想や幻覚は、サンドラが自分の存在を
気付かせるための主張だったように思いました。
だからこそルイという双子の幻覚を生み出し
そこにクロエの少しの欲望が絡み合ったことで
混乱を来たしたのではないでしょうか。
隣人のローズは、精神を病んだ娘を見た経験から
クロエとの初対面から、彼女が情緒不安定だと見抜き、
案じていたんだろうな。彼女は不気味に描かれていたけど
本当は優しい人で、淋しかったのでしょう。

それにしても、前半ではポールとルイの違いが
はっきりと分かるのに、後半では全く区別がつかず
見ているこちらもクロエのように追い詰められました。
この演出と、双子を演じ分けたジェレミー・レニエが凄い。

終始心拍数が高まるような展開ではありましたが、
生命の神秘を感じる作品でした。
思い起こせば、冒頭の検査シーンなんかが
まさにそれですね。