『ロマンティックじゃない？』
原題Isn't It Romantic.
製作年2019年。上映時間88分。

ひょんなことからロマンティックコメディ映画の世界に迷い込んでしまった女性の運命を描いたアメリカン・パラレルワールド・コメディドラマかな。
『ピッチ・パーフェクト』(未見近い内に見たい)のレベル・ウィルソン(キュート、主演は最初の作品)が主演を務め、リアム・ヘムズワース、アダム・ディバインが共演。
『ザ・ハンド』の、あのデンジャー・クリスタル役のベティ・ギルピンが出てた。
あとプリヤンカー・チョープラーってインドの女優さん綺麗すぎ、マトリックスの新作『マトリックス レザレクションズ』に出るみたいです。
また、本作品にあたりトッド・ストラウス＝シュルソン監督は、2週間かけて90本以上のロマンティック・コメディを鑑賞し、それらの間にある類似したヴィジュアル的・ストーリー的な傾向に注目し今作品に挑んだそうです。

幼い頃にロマコメ(ロマンティック・コメディ)の世界に憧れていたナタリーは、母ちゃんの毒舌混じりの言葉に夢を壊されて以来、ロマコメを嫌うようになっていた。
ある日、地下鉄構内でひったくりに襲撃された彼女は犯人を撃退するが、勢い余って頭部を強打し気を失ってしまう。
やがて目を覚ました彼女は、周囲の様子がどこかおかしいことに気づく。自分がロマコメの世界にいることを確信したナタリーは、元の世界に戻るべく奔走するが。。。

今作品はクリスマスやバレンタインデーに彼、彼女とワ・ハ・ハって笑って見るって云うよりも、バレンタインデーの１日前の2月13日の『ガレンタインズデー』(バレンタインデーのスピンオフ)見たいな日に女子たちがお互いの友情を祝う日に見るには最適な映画じゃないかな。
野郎同士の友情の記念に見るのも悪くはないとは思うけど。。。小生はパス
今作品の冒頭、映画『プリティウーマン』が流れる。
再生される画面にかじりつく幼き日のポッチャリ・ナタリー役のアレックス・キシュが目を輝かせ✨ジュリア・ロバーツ演じるヴィヴィアンに自分を重ね合わせてるのがメチャクチャ可愛くて、直ぐにストーリーに入り込めた。
今作品の主人公はそんなあどけないポッチャリ少女から十年後のナタリー（ウィルソン）に焦点を合わせ展開してく。
彼女はニューヨークの建築家で、その生活は華やかさとは程遠く、恋愛やロマコメに対する防御的な態度は笑えるニヒリスト的(皮肉屋さん)に変身。
彼女のアシスタントであるホイットニー（ベティ・ギルピン）は、もっとチャンスに目を向けて、自分が嫌っている映画からちょっとしたインスピレーションを得てはどうかと提案。。。
そこからはどうぞ興味を持ち、視聴環境やタイミングがあればどうそ！

今作品はロマンチック・コメディのアルアル定型表現を嬉々としてからかう一方で、その定型表現を楽しみたいという小生の欲求を満たしてくれました。
ナタリーがステレオタイプを揶揄したり、冗談を云ったり、突っついたりしている間にも、今作品は小生が求めるキッスやミュージカルナンバー、ほんでもって結婚式を止めるためのスローモーションの走りなどを展開してくれた。
そのため、この作品全体としては少し物足りなさを感じるのは否めないけど、もう少し上映時間を長くし、脚本を練ればこのジャンルの問題点をもっと深く掘り下げることができたんじゃないかなぁとは感じました。
また、同性愛者の表現や、職場の女子はこの手の映画では敵であることが多いという問題意識に取り組んでいる。
しかし、ロマコメの中で常態化している主役の男性の問題行動、率直に云って不気味な行動には触れへん。
主人公の男2人は無害やけど、このジャンルを本当に解体するチャンスを逃しています。
でも、ナタリーが最終的に誰(何者)を愛するかを決めたとき、とても新鮮で過激ともとれる印象を与えてくれました。
これは、不安や恐れ、心配を利用して利益を得ようとする世界の中じゃ、単純やけど革命的な考え方やと思う。
ナタリーが目の前にある解決策に気づくには、ロマンス映画のような甘ったるさを過剰に摂取する必要があったんかも知れない。
そして願わくば、小生も、頭をドツかれなくても、このアイデアを受け入れようかと。。。
個人的には笑えて、プチほろりと来る面白いロマコメ作品でした。

おデブちゃんナタリーはラブコメ映画の嫌なとこを3時間ぐらい語れるほど恋愛に否定的で誰にも心を開かなかったが、ある日強盗ともみくちゃになった時に頭を打ち気絶。目が覚めたら世界はラブコメ映画みたいになっていた！綺麗な街と自宅、ゲイの親友、ライバルの同僚、突然歌い出す人々、そしてイケメンとの運命的な出会い…！こんな世界イヤ〜！な話

この監督の前作である、ホラー映画の中に入っちゃう「ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ」が世界最高に面白くて、新作はラブコメ映画みたいな世界に行くって、そりゃあ見るしかないでしょう！日本公開あるかな〜と思ってたらいきなりネトフリオリジナル映画として入ってきてハッピー。そして、案の定面白すぎる！！！！！

今作でもラブコメ映画のあるあるをメタ的に仕込みながら「ラブコメ嫌いがラブコメ世界の中でラブコメみたいな展開にあえて乗っかる」という流れがミソで、ラブコメ世界の中のストーリーは全ての定石が詰まった何のひねりの無いものなのに、一歩引いた目線で見ることで「あ〜あるある！化粧バッチリで朝起きるとかある〜！自分を全肯定してくれるゲイの親友とか、セックスは全部カットして朝にワープしちゃうとか、全部みたことある〜！」と全てのシーンが笑いに昇華される！ここがスゴイ！！その中で自分のコンプレックスを受け入れて克服していく流れもベタながら本当に完璧で、誰もが心から楽しめるエンタメ映画に仕上がっていた気がします。ラブコメあるあるが本当に精度高くて、全部メモしていきたいくらいだったな〜

主演のレベル・ウィルソンさんはアメリカ版渡辺直美みたいな可愛げがあって最高だし、リアム・ヘムズワースのチョイスと使い方も素晴らしい！リメイク版ゴーストバスターズのクリス・ヘムズワースと重なる！そんな感じで全てのバランスが整った超傑作で、映画好きの皆様ほど絶対に絶対に絶対に楽しく見れるので、今すぐ！見ましょう！！！逆に次にラブコメ映画見たらずっと違う意味で笑っちゃうかもな〜

汚いNYC。

ワクワクしながら『プリティウーマン』を観ている少女。しかし母親からその感情を台無しにされラブコメが嫌いになってしまう。
時が経ち、少女も大人になり建築士として働いていたが、職場で自己主張することが得意でなく損な役回りをすることに。
そんなある日、地下鉄の駅でひったくり強盗にあい、意識を失ってしまう。
病院で目を覚ました主人公だったが、どこかヘンな事に気付いて…

あらすじを知らずに観ていて、「これってラブコメ版『ファイナルガールズ』じゃない？」って思っていたら、監督が一緒じゃないか。
90年代00年代のラブコメあるあるにニヤニヤ。サウザンドマイルズがかかるたびに笑ってしまう。
主役のレベルウィルソンが達者でいいんだけど、もし日本でリメイクされたら渡辺直美あたりにあてられるんだろうなぁとか思っちゃう。
気楽にサクッとかるいのが観たい時向け。