海のずっと沖に、人工衛星が落ちた。ニュースで見た。僕はさおりの打ち上げまでの一ヶ月、彼女と一緒に過ごした。沢山の祝福と激励と名誉を背に、宇宙へ打ち上げられていった、それまでの、一ヶ月の風景を思い出す。白波多カミンで思い出した。もらったCDプレイヤーはまだ動く。聴くたび思い出す。だけどなんだか思い出し尽くせない。MOOSIC LAB 2017 コンペティション【短編部門】公式出品作品
四国山脈に隔たれた高知県。いまだダムのない暴れ川の異名をもつ四万十川。太平洋に流れ出るその川の流れと共に、生きてるものが死んでいて、死んでるものが生きてるかのような土地で老いた祖父と余命を…
>>続きを読むレマン湖のほとりの町に住むごく普通の夫婦に起きた出来事。ある日の夜、出かけていた夫が突然帰宅し、妻・ラシェルは彼に抱かれる。「夫に乗り移った神」だと彼は宣言し、妻はそれを信じた。だが妻は、…
>>続きを読むブルジョワジーたちが、演劇、コンサートに身を沈め、ダンスやゲームに耽るバロック風の豪奢なホテル。そこにひとりの男がやってくる。去年出会い、恋に落ち、そして1年後に駆け落ちする約束をした女を…
>>続きを読む人妻と独身の男。ふたりは愛し合い、喧嘩し、一匹の犬が町と田舎を彷徨う。言葉をめぐり季節は過ぎ去り、男と女は再び出逢う。前夫が全てを台無しにし、第二のフィルムが始まる───
高校生バンドPOLTAの同級生でマネージャー志望の秋乃(池田夏海)は近ごろ、同級生の岡田(河西裕介)に恋をしている。しかし岡田には他校に「なっちゃん」という彼女がいた。彼がいとおしげに話す…
>>続きを読むある植物園、ふたりの少女が互いに宿命を解析しようとする。(『アリアとマリア』)とある男女が、キャンピングカーで旅に出る。(『Blue Through』)監督からの手紙を基に、大森靖子が楽曲…
>>続きを読む映画が音楽と出会ったのはいつのことだろう。19世紀末に生まれた映画と詩劇『サロメ』。その連関は映像と音声が同時に別々の物語を語ることで表現される。本作では擬人化された映画史の映像と、音声と…
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