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オラファー・エリアソン 視覚と知覚の小のレビュー・感想・評価

3.4
2回見た。初回寝落ちしてしまったから。でも2回目も寝落ちした。諦めた。デンマークの現代美術家オラファー・エリアソン先生の講義にダメ生徒の自分はついて行けなかった。

劣等生なりにどんなことが印象に残ったかを書いてみようと思ったけれど、印象に残った言葉は、公式ウェブのオラファー・エリアソン語録に載っている。こういうことを語る人が芸術作品でどのような表現をするのかを見る映画かな。
(http://www.ficka.jp/olafur/words/)

芸術に縁遠い自分が何故見ようと思ったかといえば、公式ウェブの次の惹句に見事にはまったから。

<「視覚と知覚」、「理論と哲学」、「主観と客観」―さまざまな概念の境界を越えて展開される彼の理論は、芸術論にとどまらず、人間の本能までも揺さぶるに違いない。時間と空間ですべての観客を巻き込む、77分間の知的エンターテイメント。あなたには何が見えるだろうか?>

私に見えたもの………、夢?という冗談はさておき、要するにカント先生の認識論のようなことを芸術で表現しようとしているのかな? キモとなるのはこの言葉だろう。「“現実は主観次第”これはアートに限らず全てに言える。現実は見る者の見方で決まるんだ」。

エアリソン先生の作品は、鑑賞者と対峙しない。「本物か否かを決めるのは誰か? 僕はこの問いへの答えは鑑賞者に委ねたい。そのためには鑑賞者が作品に“参加”する必要がある」。

そういうエリアソン先生は、2008年に約17億円をかけて制作し、世界55カ国の約140万人が目撃、75億円以上の経済効果があったとされる「ザ・ニューヨークシティー・ウォーターフォールズ」を発表する。ニューヨーク市イースト川での巨大な4つ滝のインスタレーション(場所や空間全体を作品として体験させる芸術)で、この制作過程が映画の中心。

<オラファーは言う。水のしぶきや音を五感で感じ取ってほしいと。そうすることで、滝から落ちる水は、単なる景色ではなく、体感する物質になるのだ。「体感する”とは、環境に対する感度を上げるということです。手を濡らした感覚と濡らす想像とは違うように」。滝を見て、単に雄大だと感じるだけでなく、水の落下する「時間」や「空間」をリアルに想像することで、ニューヨークという巨大な街に紡ぎ出されるストーリーを体感してほしいのだと。>(公式ウェブ)

ということなので、映画を見ただけではエアリソン先生の作品の真価は味わうことはできないのだけれど、今後、芸術作品を鑑賞する際だけでなく、現実の世界で生活していくうちに、彼の言っていたことが思い出されるかもしれないという気はしている。

●物語(50%×4.0):2.00
・内容は興味深い。

●演技、演出(30%×2.0):0.60
・講義録みたいで、起きているのがつらい。

●映像、音、音楽(20%×4.0):0.80
・人工滝をいろいろな角度で見られるのは映画ならでは。その他の作品も見れて「参加」の意味はわかる。
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