河豚川ポンズ

悪女/AKUJOの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

悪女/AKUJO(2017年製作の映画)
3.9
殺意2000%の復讐劇な映画。
女優もだけど、カメラマンも撮影監督も相当無茶してる。

幼い頃に目の前で父親を無惨に殺され、殺し屋のジュンサン(シン・ハギュン)に拾われたスクヒ(キム・オクビン)。
拾われた頃から殺し屋として生きてきたスクヒの願いはただ一つ、父親を殺した犯人を殺すこと。
犯人とされていた叔父をジュンサンの助けもあってついに葬ったが、スクヒはジュンサンへの恋心とともに真犯人がいるはずだと打ち明ける。
スクヒと結婚したジュンサンだったが、そんなスクヒのために結婚式の翌日、真犯人の犯罪組織のアジトへと単身乗り込む。
しかしあえなく返り討ちにあい、とうとう還らぬ人となってしまう。
自暴自棄になったスクヒは敵討ちと言わんばかりにアジトへと押し入っていく。

美女がボロボロになりながらもとんでもないアクションをバリバリ決めていくのは、「アトミック・ブロンド」や「キル・ビル」が好きな人とかにはたまらないと思う。
そしてそれを魅せるカメラワーク、とてもじゃないけど常人の発想じゃないし、それを実際に実現して見せつけてくる意味のわからなさ。
アクション好きならこの映像は絶対観ておくべきといってもおかしくないレベルだと思う。

韓国映画特有の要素てんこ盛り感はこの映画にも。
ただそれがこの映画で良い方向に働いているかと言われてると、中盤でまるでアクションしなくなって恋愛ドラマが続くのはちょっと期待外れだった。
もう少し見せ場を散らしてくれれば飽きないのに、最初と最後に固めまくるのはあまりよろしくないと思うのだが。

主人公のスクヒを演じるキム・オクビンはテコンドーとハプキドー(韓国版柔術)の黒帯で、筋金入りのアクション女優。
でもジュンサンが死ぬ前と後で纏ってる雰囲気や人が様変わりするのはすごい。
終始本当に同じ人がやってるのかどうか信じられなかった。

ストーリーはノワール特有のごちゃごちゃした話だけど、これはそういうのを求めて観る映画ではないので自分はこれで十分大満足。