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ハンターキラー 潜航せよのYYamadaのレビュー・感想・評価

ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)
3.9
【掘り出し物の佳作!】
興行的には失敗したけど…
良作なアクション・サスペンス!

〈見処〉
①ラスト30分、白熱の攻防!
・『ハンターキラー 』とは潜水艦を狩り(Hunter)、撃沈する(Killer)能力を持つ、攻撃型潜水艦を指す。
・物語の舞台は、フィンランド北東に位置するロシア領土のコラ半島とロシア軍ポリャルヌイ海軍基地。同近海で姿を消した米軍原子力潜水艦の捜索のため、現地に向かった米軍「ハンターキラー」は、深海に無残に沈んだロシア原潜を発見、生存者の艦長を捕虜とする。
・同じ頃、ロシア国内では軍部によるクーデターが発生し、ロシア大統領を監禁。米軍はネイビーシールズ精鋭部隊を空下派遣し、第三次世界対戦の回避のため、決死の救出を図る。精鋭のネイビーシールズはロシア大統領を奪還し「ハンターキラー」に乗船させることはできるか??
・陸の上では、わずか4名による大統領救出。深海では少しの物音でも爆破が免れない地雷原からの脱出に対し、ロシア艦長の協力を得られるか?映画史でも類を見ない「可能性ゼロ」のミッションが描かれる、終盤30分の緊迫感がハンパない。
・過去の「潜水艦」映画と異なり、陸海双方の場面が交互に描かれており、閉鎖的・陰鬱なイメージなく、映画の世界に没頭出来る。

②リアリティーの高さ
・本作は米軍の原子力潜水艦の元艦長が共同執筆した原作をもとにしており、また、
米国防総省と海軍の全面協力により、最新の攻撃型原潜の実物を一部シーンで撮影できたことから、非常にリアリティーが高い。最新鋭艦を完璧に再現したのは映画史上初だそうだ。
・また、艦内セットは巨大なジンバルの上に載せられ撮影されたそうだが、確かに潜航時に乗組員が、後方にバランスをとるようなシーンは、他の「潜水艦」作品では見たことがない描写だった。

③ジェラルド・バトラーの「漢っぷり」
・300人で100万人の軍隊に挑んだり、たった一人でホワイトハウスをテロから守ったり、尋常ではない戦闘能力を示してきたジェラルド・バトラー史上、最も、人間臭い一面を見せる「漢っぷり」は見逃せない。
・その他、ゲイリー・オールドマンの出演に加え、『ミレニアム』シリーズのミカエル・ニクヴィストの遺作としても見逃せない。

以上、4人でロシア軍に勝てるかよ!のツッコミはさておき、映画ファンなら、観ておくべき佳作であることは間違いない。
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